視線151 ページ16
冬休み直前。
E組に事件が起きた。
カエデ「あ〜ぁ。渾身の一撃だったのに逃がすなんて甘すぎだね、私」
『カエデ、、、?』
触手を生やしたカエデの顔は、別人のように険しくなっていた。
“殺してやる!お前みたいな人殺し!”
カエデの触手を用いたの襲撃を受けて、教室は重苦しい雰囲気になっていた。
私としてもショックだった。
カエデが苦しみを、その葛藤を、察してあげられなかったのが何より悔しかった。
カルマ「あんまり自分を責めないでよ。カエデちゃんの意思だ、Aが背負うことじゃない」
本当、何でカルマはいつも私の心の内が分かっちゃうのかな。
『、、、それでも、気付いてあげたかった。どうしても私は、自分が見てきたカエデが嘘だとは思えない』
きっと渚や神崎さん、他の皆だって同じように思ってると思う。
殺せんせーの過去を知りたがる皆を、それとなくタコは制した。まずはカエデを取り返すのが先だと。
私は、タコの過去について拓兄経由で組織から知らされたことがある。
曰く、彼は2年前までは死神と呼ばれていたと。
だけどそれ以上は何も知らない。このクラスの一員として、私も真実が知りたいから賛同した。
そんな中、唐突にタコの携帯が鳴りカエデから呼び出しを受けた。
カエデ「じゃあ終わらそ」
カエデの状態についてイトナの説明を受けて、私は黙ってなんていられなかった。
『カエデ、タコは全てを話すって約束した。だから先にその話を聞かない?今のカエデは触手の殺意に支配されてるだけのように見える』
きっと通じないだろうことはわかってた。
カエデ「違うよAちゃん。これは私の意思、私の望みだよ。触手のせいなんかじゃない」
彼女の目に映る殺意は、ただ目標を殺すことだけしか考えていない感情に囚われた殺し屋そのものだったから。
渚「やめろ茅野!こんなの違う!僕は学習したんだ、自分の身を犠牲にして殺したって、後には何も残らないって!」
カエデ「自分の身を犠牲にするつもりなんてないよ、渚。ただこいつを殺すだけ。そうと決まれば一直線だから!!」
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いくつ - 誕生日デートの待ち合わせのところ赤髪が赤紙になってますかもしれないです、、、 この作品神ってます! (8月12日 19時) (レス) @page29 id: 93fef38cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Reload | 作成日時:2020年6月6日 14時