お前と俺のヘヴィーな日常 Ⅲ【蛇山チアキ】【原作無関係】 (ページ8)

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“記憶の間”　トラウマの想起ページ8

今度は十七歳…つまり現在の半年前程に切り替わる。
今はどうやら自称親友であり薬の共同開発者である神城と一緒に居る様だ。
神「にしても、相変わらず母様と仲が悪い様で」
『うっせぇなコレが通常なんだよボケ』
神「はいはい…あ、少し朗報」『んだよ』
神「妹ちゃんが一瞬だけど立ったよ」
『っ！本当か！？』
神「ホントホント、段々と安定して来てるからその内歩けるんじゃない？」
その報告に、狂子は安堵した様に微笑む。
持病の影響で今まで歩けなかった魅姫が、歩けるかも知れない。
もしかしたら何年後か、十年後かは分からないが治るかも知れない。
そんな淡い期待すら抱いてしまう。
(…だからこそ、今以上に気を付けないと)
油断は出来ない、でもいつか魅姫の病気を治すと意気込んでいた。

後々にY学園への入学の話を聞くまでは。
再び実母の我が儘により、彼女が最も嫌で嫌で、最早嫌悪の感情を
抱いている場所に行き、過ごす事になったのだ。
『ふっざけんな…』
物が溢れた日当たりの悪い自室で、一人呟く。
抑も誰のせいで自身が退学したのか。
飽きた、だとか言う単純な理由ではない。
湧いてきた怒りに、資料にと渡されたパンフレットを握り潰す。

『…友達なんざ、要らねぇよ…』

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ただ実際は、特に問題は無かった。
学力も運動能力も申し分なく、対人関係については特に強制はされない。
それどころか親や使用人と離れられるのだ。
狂子自身の精神的な意味で安心は出来る。
魅姫も本家から別荘へ移住したので、直ぐには実母も会えないだろう。
…だがそれでも、狂子の中では蟠った。
否、出来る限り考えたくないのだろう。
昔の記憶が起因してか、未だ怖いのだ。
またあの時の様な事が起きたら、と狂子は不安になった。
不安で、仕方なかった。