現実へ帰っても続行中 ページ16
ばきっ、ぼきっ！
半壊した屋敷の辺りに響く、鈍い音。
チアキと狂子は未だ状況の変化に気付いていない様だ。
サ「あ、あれ…俺達いつの間に…」
ミ「…へっ？あの二人何やってんの！？」
ゲ「え、何がだ？」
来「何がって殴り合ってるんだけど！」
霧「な…おいッ！止めろ貴様ら！何が起きたんだ！」
ミハルと来星が狂子を、サトシ・ゲンジ・霧隠の三人掛かりで
チアキを取り押さえようと近付く。
だが。
『邪魔すんな！来ないで！』
来「はぁっ！？」
サ「いっだッ！？」
透明な壁によって阻まれてしまう。
蛇「っ…はぁ…良いんすか、このまま続けて」
『いいも何も殴り足りねぇんだよクソが…』
ぺっ、と血痰を地面へ吐き捨てる。
数十分間だけでもチアキはボロボロだったが、
狂子は全くの無傷のままだ。
(確かに化け物と言っても過言じゃなかったすけど…)
そう一瞬思考している中でも飛んでくる拳に、チアキはギリギリで避ける。
蛇「ぁっ、ぶね…」
『油断してんじゃ、ねぇよ！』
再び喧嘩をし始めた二人に他五人は蒼白し焦る。
ミ「ど、どうしよう！あの二人操られてるんじゃ…」
ゲ「いや、操られてるんじゃなくて本気で殴り合ってる…？」
サ「マジかよ！？でもちょ、その前にこの壁？を壊して止めねぇと…！」
その時、来星が何か諦めた様な表情をし首を振って呟く。
来「…無理よ」
ミ「む、無理って何がですか！？」
来「さっき聞いたでしょ、”来ないで“って。」
霧「…だが、このままでは…」
ゲ「…ん？あ、何か、倒れた」
ゲンジが指を差して言う。
「「「「え？」」」」
意気揚々とチアキを殴ろうとした狂子が、倒れた。
蛇「…化け物にだって限界位あるっしょ」
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作者名：徒花(腐女子) | 作成日時：2020年12月7日 12時
