【地獄先生ぬ〜べ〜】孤独な陰陽師 番外編2

400年の間 ページ50

ー深夜・童守寺ー



深夜になり件の木に近づくと、私は驚いたわ


神音「何をしてるのよ！？」
広「あれ、神音！？」
郷子「もしかして、除霊にきたの？」


木の上に、立野君、稲葉さん、細川さん、木村君の4人がいたわ
何しに来たのか聞くと、涼む為に肝試しに来たそうよ


まさか4人共、私と鵺野先生がいつも助けてるから霊の怖さを忘れてる！？
どうにか説得して帰らせようと思ってると、気配を感じたわ


私は急いで、物陰に隠れたわ


その瞬間、鈴の音が聞こえてきたわ
それと同時に、時代劇に出てくるような棺桶が運ばれ、木の下に置かれたわ


すると、棺桶から何か出て来たわ





『会いたや…恋しや…会いたや…恋しや…』





涙を流しながら穴を掘っている…あれが、侍の霊
あれを成仏させなければ…そう思い、手首の数珠を外そうとした時…


克也「ふえっくしょ〜い！」


木村君が盛大なくしゃみをしたわ
侍の霊は掘る手を止め、上を見上げたわ


広「うわああああ〜〜！」
郷子「見つかったわ！」


侍の霊は立野君達に気づき、木を登り始めたわ
立野君達は慌てて、逃げる為に木の上を目指して登ってるわ


美樹「神音さ〜ん！」
克也「助けてくれ〜！」
神音「助けてと言われても…！」


侍の霊が成仏できないのは、姫の骨が見つからないから…しかし、なぜ姫の骨は見つからない？
もし本当に埋められているのなら、見つからないはずはない

この木も400年の間ずっと掘られて………まさかっ！？


神音「みんな！木のどこかに変な窪みとか変形してる所はない！？」
広「はぁ！何言って！？そんなことより…」
神音「良いからさっさと探せっ！」
広「はいぃっ！」


立野君達は登りながら、探し始めたわ
もし、私の考えがあってるなら…


美樹「神音さん！ここに変な膨らみがある！」


私はそれを聞き、人差し指を親指でたわめて弾く行法を3度行い、真言を唱えた



神音「サラテイ・サラテイ・ソワカ」

神音「オン・マリシエイ・ソワカ」



呪力の鞭を形成し、細川さんが言った場所に向かって叩きつけたわ
穴が開き、中から思った通り、姫の白骨が現れたわ


神音「やっぱり、400年の間に白骨が木の上に押し上げられたのね。いくら掘っても会えない訳だわ」


侍の霊はようやく姫と出会い、共に成仏していったわ
降りてきた立野君達は、怖かったのかガタガタと震えているわ

だけど、私はそんなに甘くないわ
私は4人を正座させ、説教したわ


広「(霊も怖かったけど…)」
郷子「(やっぱり…)」
美樹「(一番怖いのは…)」
克也「(神音だな…)」

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