【地獄先生ぬ〜べ〜】孤独な陰陽師12

完敗 ページ16

玉藻は人間の姿に戻り、左腕を抑えたわ


蓮月「…左腕を出せ」
玉藻「何をする気ですか？」
蓮月「貴様の体に入ってる呪詛を取り除いてやる、そのままじゃ死ぬぞ？」


玉藻は少し疑わしそうな目を向けたわ


蓮月「安心しろ…貴様を殺すようなことをすれば、我が主に嫌われる」
玉藻「…神音さんには、嫌われたくないんですね？」
蓮月「当たり前だ…」


玉藻は蓮月に左腕を差し出し、蓮月は玉藻の左腕を掴んだわ


蓮月「歯を食いしばっていろ」
玉藻「え…？ぐ、っ……！？」


蓮月は玉藻の左腕に噛み付いたわ
その瞬間 玉藻は目を見開き、苦痛の表情を浮かべながら歯を食いしばっているわ


ゆきめ「な、何をしているの！？」
神音「蓮月が玉藻の呪詛を吸い出してるんです」
鵺野「そんな風には見えんが…」
神音「呪詛を吸い出す時、かなりの激痛がありますから…舌を噛み切らないように猿グツワとかしないと、危険ですからね」


玉藻の呪詛を吸い終わった蓮月は、ゆっくりと離れたわ
そして、高く飛んで窓から入ってきたわ


蓮月「我が主、勝手なことをして申し訳ありませんでした」
神音「…玉藻のことは、認めてくれましたか？」
蓮月「…悔しいですが、私の完敗です」


蓮月は苦笑し、項垂れたわ
どうやら、かなり落ち込んでるようね



蓮月「我が主への想いは、私も負けてないと思っていたのですが…キツネの方が強かったようです」

蓮月「我が主、私はあなたの幸せを一番に願っております…」

蓮月「あのキツネが我が主を不幸にしたら、私は今度こそあのキツネを殺します」





蓮月「すべては、我が主の幸せの為に…」





そう言って、蓮月は私に跪いて頭を下げたわ


蓮月が私の幸せを祈ってくれているのは伝わっている
だからこそ、玉藻の気持ちを試したかったのも理解しているわ


神音「蓮月、私のことを想ってくれてありがとう…」
蓮月「我が主…」
神音「大丈夫…私、玉藻と居られるだけでも本当に幸せなのよ？」


私はそう言って笑った後、教室を出て校庭へ向かったわ


神音「玉藻」
玉藻「神音さん」
神音「怪我は、大丈夫ですか？」
玉藻「えぇ、もう治りかけてるので大丈夫です」


傷を見ると、小さくなって治りかけていたわ


神音「蓮月、認めてくれたようです」
玉藻「そうですか」


玉藻はフッと笑った後、私を抱き寄せて軽くキスしたわ


玉藻「何度だって、認めさせます…あなたを愛していますから…」


そう言って、玉藻は再びキスしたわ

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