何にも失ってない ページ2
私の質問に“貧乏神”は笑いながら答えた
貧乏神「“貧乏神”に憑かれたら、そいつは貧乏になる素質があるって事さ」
貧乏神「おまえはお金がないと悲しいだろ、苦しいだろ」
貧乏神「“貧乏神”はそんな絶望感をもった人間に取り憑くと、1番居心地がいいんだよ」
それが、鵺野先生に取り憑いた理由か…
“貧乏神”を除霊するのは難しいが、離れてもらう方法はある
だけど、それは……
『鵺野くん、大変だ！君のアパートが家事だぞ！』
突然、校長先生が慌てて知らせに来てくれた
鵺野先生と大家さんとの電話の内容を聞くと、アイロンが付けっ放しでボヤが起こったみたい
ー夕方ー
鵺野先生は落ち込んだ様子で、校庭の花壇に座り込んでいたわ
神音「鵺野先生…」
鵺野「…悪いが神音、これに関しては俺がなんとかする」
神音「なんとかって…」
鵺野「とりあえず、今日は校庭にテントでも張って寝るさ…」
そう言って、鵺野先生はフラついた足取りで校庭へ向かって行った
神音「鵺野先生、絶望してはダメです…あなたには、お金だけじゃないはずですよ…」
“貧乏神”を離すには、鵺野先生が自分で気づいて“貧乏神”に見せつけないといけない
私が助言したら、何の意味もない…
神音「…夜、狸葵を連れて様子を見てみよう」
鵺野先生を1人にすると、危ない気がするし……
だけど…そんな私の心配は、杞憂に終わったわ
ー夜・校庭ー
私は狸葵を抱っこしながら、鵺野先生の様子を見に来たわ
神音「これは……！？」
その光景を見て、私は目を見開いて驚いたわ
鵺野先生のテントの周りには、たくさんの人達や鵺野先生と関わりのある妖怪達が集まって騒いでいたわ
そして、鵺野先生は……
鵺野「あはははは！なーんだ！」
鵺野「何だ、俺は何にも失ってないじゃないか」
鵺野「俺には生徒が、仲間が、友達が、こんなにいる」
鵺野「何を落ち込んでいたんだ」
鵺野「金なんてなくても、貧乏なんて俺にとって何の苦でもないじゃないか」
鵺野先生は笑いながら、皆と一緒に騒ぎ始めたわ
その光景を見て“貧乏神”は肩を落として、鵺野先生から離れ…どこかへ消えて行ったわ
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桜萌(プロフ) - うるふさん» コメントありがとうございます！楽しく読んでいただいて嬉しいです！更新がんばります！(*^^*) (2021年2月18日 14時) (
レス) id: f1af627f61 (このIDを非表示/違反報告)
うるふ - いつも楽しく拝見させてもらっています！いつか主人公の過去が描かれるのを心待ちに、これからも話を追い続けます！頑張って下さい！ (2021年2月17日 1時) (レス) id: 641c35b43f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜萌 | 作成日時：2021年2月10日 2時
