【名探偵コナン】優しすぎる君が【赤井秀一】

信頼 ページ36

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「フォーギブン？」


キットを手に、彼女の部屋に入る。彼女は見当たらず、風呂場の方から水音がしたのでおそらくシャワーでも浴びているのだろう。彼女がいない間に申し訳ないが、部屋の中を見て回らせてもらおうと思う。

彼女、フォーギブンは少し前に突如現れ、たちまち一目置かれる存在になってしまった。話を聞く限り、組織に声をかけられて入ったらしいとの事だが、本性は分からない。

しかしその実力は折り紙つきらしく、常に飛び回り所在の分からないメンバーに連絡を取るなど、優秀な働きをしているのだとか。

ベルモットやジン、ウォッカなどの信頼も勝ち得ているということなので、彼女に取り入っておいて損はないだろう。

弱みも握れたら最高だろうが、さてそんなにうまくいくかな…と歩き回ること数分。


「あ、バーボンさん」


どうやら時間切れのようで、フォーギブンが出てきた。結局弱みのようなものは見つからなかった。


「いやぁ思ったよりも戻ってくるの早かったですねぇ。今なんか淹れるんでそこら辺座って待っててくださいな。」


首にタオルをかけて、ショートパンツで足を露出しているその様は若干色っぽく見えなくもないが、悲しいことにベルモットを見慣れてしまった僕はドギマギするような純情さがなかった。

いや諜報部員としてはそれでいいのかもしれないがなんだか悲しいように思われた。そこら辺、と言われたので小さなテーブルの前に座り込む。


「ハイお待たせしました」


そして彼女が出してくれたのは珈琲だった。



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