優しい ページ22
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車から降りて外に出ると、雪が降っていた。なんだか私はだんだん信頼されていたようで、詳しい場所は未だにわからないけど、組織の本部から出るときや入るときに目隠しされることが無くなってきた。
「じゃあフォーギブン、ここでウォッカを待っててね。成功を祈ってるわ、good luck‼」
「ありがとうございました‼」
ベル姉さんはそう言うと街の中へ車を走らせ消えていった。1人残された私はと言うと、めっちゃ寒いです。
「もうちょっと着込んで来ればよかった…」
私の右側にある電話ボックスの中にいる男の人も、ニット帽なんて被っちゃってさぁ…。…ニット帽?
「コナンくんが新一なら…良かったのにね…」
え、コナンくん?何か引っかかったニット帽のことを忘れて、私はばっと振り向き、声の主を探した。すると私の1メートルほど前に、可愛らしい女の人に手を引かれた工藤くんを見つけた。
コナンくん、と声をかけようとしたその時、電話ボックスのドアが開き、中にいた人が出てきた。
「…ッ、」
それは、秀一だった。やっぱりニット帽で引っかかったのは、秀一だったからか。1人で納得した。そして秀一は工藤くんと一緒にいる女の人を数秒見つめ、口を開いた。
「また泣いているのか…」
「え?」
「お前はいつも泣いているな…」
いつも?…いつもって、どういうこと?
「いけませんか?」
「いや…」
そして秀一はゆっくり歩き出す。ねぇ、いつもってどういうことですか。
「思い出していたんだ…お前によく似た女を…」
そして私もよく見るとその女の人が誰かに似ていると気づいた。長い黒髪、ハッキリとした目元、ああ、…そうだ。
「平静を装って影で泣いていた…バカな女の事をな…」
彼女は、宮野明美さんに似ている。
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あ - 完結に好きです。頑張って下さい! (2022年7月22日 20時) (レス) @page41 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
眠夢_(プロフ) - あのこんな私がアドバイスとか何様何目線ってかんじなんですけれどもビックリマークは色つきにするとういてしまうので!←黒字体にしたほうがいいかと思いますー (2021年10月16日 22時) (レス) @page13 id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
川瀬 - くさん» マジレス失礼。長期間更新がない場合、読者による投票形式で完結か更新停止中か決まるんよ。だけん作者さんは悪くないんやで。 (2021年4月27日 1時) (レス) id: 41d0a0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
く - 完結してねぇのに完結にすんな (2020年7月19日 3時) (レス) id: a025419695 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - お帰りなさい!! (2020年1月10日 1時) (レス) id: 95873548f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千瀬 | 作成日時:2016年10月31日 23時