優しい ページ3
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逃げなきゃ、でもなんで、腰が抜けて動けない…‼足音がぴたりと止まる。ジャリ、と砂を踏む音。顔を上げれば、銀髪の男とサングラスの男。
「こんなところに何者だ…まァいいか、殺しちまえば」
ああ私は殺されるのか。
「でもアニキ、サツが来てやすぜ」
ごめんね秀一、明美さんを助けられなかったよ。
「APTX4869を使え」
私の事は、馬鹿な奴だったと、あなたの記憶に少しでも残しておいてね、
「わかりやした…おいこら女、声出すなよ、」
秀一、
「飲め」
大好き。
口の中に流し込まれた錠剤と水を喉に通した途端、途轍もない灼熱が体の中を巡り、さっきの心臓の音が比にならないほどのものが鳴り響き始めた。
ドクン、ドクン、ドクン、心なしかシュー…と煙まで出てる気がするよ、あれ私ってば変身するのかな、そんなわけないか…。消えそうになる意識をなんとかつなぎとめて、必死に呼吸をする。奴らはとうに遠くへと消えていた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
私のこの叫びが聞こえたのか、奴らと同じ方向からやってきたのは、小学生ほどの男の子。
「おねーさん大丈夫⁉しっかりして‼」
私の頭を抱えあげ、声をかけてくれる。
「宮野明美さんは、無事…?…ぐぁ、」
「彼女は…っ、それよりもおねーさんだよ‼なにがあったの⁉」
言い淀んだところによると、助からなかったのかもしれない。
「私は…っぐ、よくわかんない全身黒づくめの奴らに…っ、ぁ、」
「…もうわかった、ありがとう、おねーさ、」
少年の言葉はそこから先は覚えていない。意識が飛んだらしくて、何にも、覚えてないのだ。何にも、私がどんなことになったかなんて、分かってないのだ。
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あ - 完結に好きです。頑張って下さい! (2022年7月22日 20時) (レス) @page41 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
眠夢_(プロフ) - あのこんな私がアドバイスとか何様何目線ってかんじなんですけれどもビックリマークは色つきにするとういてしまうので!←黒字体にしたほうがいいかと思いますー (2021年10月16日 22時) (レス) @page13 id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
川瀬 - くさん» マジレス失礼。長期間更新がない場合、読者による投票形式で完結か更新停止中か決まるんよ。だけん作者さんは悪くないんやで。 (2021年4月27日 1時) (レス) id: 41d0a0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
く - 完結してねぇのに完結にすんな (2020年7月19日 3時) (レス) id: a025419695 (このIDを非表示/違反報告)
ねこさん(プロフ) - お帰りなさい!! (2020年1月10日 1時) (レス) id: 95873548f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千瀬 | 作成日時:2016年10月31日 23時