白と黒。8 ページ8
温かい朝の日差し……などは感じなかったが、私はゆっくりと目を開けた。
「ひゃっ……」
思わず叫びそうになって慌てて口を押さえる。
目覚めて最初に見えたのは私の隣ですやすや眠っている髭切。
なんというか、顔がすごい近かったので驚いてしまった。
後ろからも穏やかな寝息が聞こえる。
私は二人を起こさないように慎重に布団から出た。
部屋にある戸棚を適当に開けると、女物の服が沢山入っている。
その中からリボンのついた白いブラウスと紺のスカートを取り出し、着替える。
私という人間を客観的に見て、こんな格好は似合わないと思うけれど……なんでお嬢様みたいな洋服ばかりあるんだろう？
そっと部屋を出て、当てもなく歩きだす。
昨日はほとんど二人と話していたから分からなかったけど、此処は不気味なくらい静かだ。少しでも気を抜けば、そこに溶け込んでしまいそうな。
「これから、どうすればいいんだろう」
静寂に駆られて、不安が口に出る。
記憶を取り戻すべきなのだろう。……でもどうやって？
だんだんと泣きそうになって、小走りで寝室へと戻った。
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琴丸ダイコン - 文章の書き方がめっちゃうまいですね！とても面白かったです！ (2019年7月26日 10時) (
レス) id: d6c283313e (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - なでしこさん» 読んでいただきありがとうございます！共依存いいですよね (2019年5月5日 21時) (レス) id: a0fdfc18d2 (このIDを非表示/違反報告)
なでしこ(プロフ) - 共依存すっごく好きで良かったです〜 (2019年5月3日 19時) (レス) id: 90ce737710 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいる | 作成日時：2019年3月8日 10時
