信じない 1 ページ3
俺は、雪野A。
並盛中学二年だ。
俺は今非常に困っている。
俺は基本的に、物事すべてに興味が無いから、困ることなど少ないはずだ。
だが、そんな俺が今、非常に困っている。
何故表の世界で俺は銃を向けられている？
話は十数分前に遡る。
今日もつまらなかった。
いつもと変わらない日常。いつもと変わらない反応。
やはり嫌になるな。
今日はもう、この教室には用がない。帰ると言っても家には誰もいないが。
俺は、委員会や部活には参加していないのでそのまま帰ることができる。部活には入ってないが、一応は帰宅部だ。帰ろう、うるさいのが来る前に。
「A様〜〜〜！」
ちっ…噂をすれば、うるさいのが来たか。
「聞いているんですか？A様！」
「聞いてないな」
答えながらも、無視して、スクバを肩にかける。
「聞こえてるじゃないですか！A様！」
「うるさい。黙れ。バカが」
思っていることそのままを口にする。
「はぅ！A様からの罵倒三連発！」
なんて、嬉しがっているドM女は無視しよう。
「待ってください！」
このバカは美月愛華。
俺の手駒だ。
俺が独りでの任務で倒したファミリーにいた元・モルモットだ。
そこのモルモットたちは俺を怖がって逃げ出したが、こいつだけは俺についてきた物好きだ。
確か名前もあげたな。
「何考えてるんですか？」
少し昔のことを思い出していると、愛華が質問を投げかけてくる。
生憎、俺は優しくないのでな。
「お前だけには教えねぇ。…あ、今日は一人で帰る」
冷たいことを言って、愛華を突き放す。
「えー」
「拒否権があると思わない方がいい」
俺がそう言うと、愛華は俯く。
「……わかりました。今日は一人で帰ります」
寂しげに、呟くように答えた。
「じゃあな」
進みながら、後ろに軽く手を振ると、
「はい。また明日」
悲しいという感情がこもった視線が、背中に突き刺さる。
「お前、何者だ」
「俺は俺だ。それ以外の何者でもねぇ」
「ちっ。質問を変える。お前は裏の人間か？」
「さぁな。調べてみろよ、世界最強のヒットマンリボーン」
「！？…なんで知ってる？」
「じゃあな」
「まて！(読心術が効かねぇ。何者だ？)」
当たり前だよ、リボーン。
お前に読心術の存在を教えてやったのは、誰だと思ってるんだ。
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