信じられない 14 ページ16
前回黒曜という隣町まで来てしまった俺。が、そこには黒曜ヘルシーランドという建物があったので、そこに泊まらせてもらうことにした。
ガサガサ
っ！誰だ！
「誰？……………兄さん？」
「…ん？千種か？」
言っとくが俺らは血の繋がった兄弟ではない。
でも、千種がいるならあいつと犬もいるのか…。
めんどくせぇ。
「兄さん、久しぶり。どうせ兄さんの事だから家に帰ろうとしてこっちに来たんでしょ」
なぜわかる！？
こいつに読心術は教えていないはず…？
「とりあえず、骸様のところに行こう。もうこの時間だとバスもないからね」
バス必要ないから道を教えてくれ。犬ならまだしもナッポーだけには会いたくない。
なぜかって？そんなの決まってるだろ。面倒いからだ。あいつは俗に言う"ブラコン"だ。会った瞬間抱きつかれ俺の意識が天に召される。
そんな俺の心情を読み取ったのか千種は少し考えるとこう言った。
「面倒くさいけど兄さんのためだ。地図あげるから家に帰る？」
「当たり前だ。ナッポーだけには会いたくねぇ」
俺は即答した。
「はぁ…わかったよ。地図持ってくる。少し待ってて」
よし、ばれるといけないから幻覚で俺を隠すか。
〜数分後〜
千種がきた。だが…なぜおまえがここにいるんだ、骸…。
「クフフ。久しぶりですね。会いたかったですよ、兄さん」
しかも俺の場所見つけやがった。まぁ、俺が千種にもわかるようにしてたから見抜けなければ霧属性として失格だな。
「俺は会いたくなかった」
「相変わらず冷たいですね。ツンデレですか？」
何を言ってるんだ？こいつは。
「脳内まで南国になったか」
「クフッ！……何を言ってるんですか？兄さん。僕の髪型はナッポーではありません！」
引っかかったな。
「ほぅ…俺は、髪型がナッポーなんて一言も言ってないぞ」
そうしたら、骸はハッとした表情になった。
でもすぐに立ち直り、俺にこんな質問をしてきた。
「ところで兄さん。兄さんはなんで7年前から姿が変わってないんですか？」
「骸様……兄さん……」
そこで今まで空気になっていた千種が、オロオロし始めた。というか、千種でもオロオロするんだな。意外だ。
何も言わない俺に痺れを切らしたのか骸が声を荒げた
「答えてください！兄さん!!」
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