雪の日8日目 ページ9
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“烏養”。Aはその名に聞き覚えがあった。
⦅烏養一繋。無名の烏野を全国へと導いた伝説のコーチ。まぁ伝説って言っても生きてるけど。彼の名前は聞いたことある。音駒の猫又監督と交友があって、よく練習試合をしていたっけ。お兄ちゃ…いや、兄さんと一緒に見に行ったことがあったハズ。“ゴミ捨て場の決戦”…だったかしら？なかなか面白い試合だったのよね…。今ではお二人とも監督を引退して、めっきり交流はなくなったハズ。確か、“凶暴な烏を飼っている”ってこっちでも噂になっていたわ。記憶があいまいだけど、本人は引退して入院していたような…？だから烏野は他校との関わりが薄れ、“堕ちた強豪、飛べない烏”…なんて不名誉な異名をつけられたのよね。それじゃああの坂ノ下の店員さんはお孫さんなのかしら？⦆
笹「…！ねぇ！ちょっと！A！A！」
『あっ…えっと…何？』
笹「さっきからずっと呼んでるのに全然反応してくれないんだもん。何か考え事？」
『うん、まぁ…ちょっとね。それで？どうかした？』
笹「どうかしたも何も…あ、武田先生、戻ってきたよ」
伊織がそう言うので、扉のそばにプリントを数枚持った先生がいた。
『行ってくる』
笹「行ってらっしゃい」
伊織に見送られ、Aは舞台に座った状態からヒョイと降りると、先生の方へ向かった。
武「片桐さん、お待たせしました。ジャージは問い合わせたところ、一週間後に届くそうです。なので、それまではすみませんが今の服装でお願いします。それから、こちら。上から日向くん、影山くん、田中くん、西谷くんの中間テストの成績となります」
そう言って彼はAにプリントを差し出す。Aは礼をいい、それを受け取った。
彼女はバレー部に背を向けていたが、背後で数人が慌てているのを感じた。そして、なんだかすごい“圧”も。
Aはただひたすら無言で目を通す。一枚目、二枚目、三枚目、四枚目…。全ての成績に目を通すと、先生を見て言った。
『この成績本物ですか？何か偽造などは…？』
武「ありませんよ。正規のものです」
テストまで残り数週間。彼女は頭を抱える。百合と夏実を伊織に任せるとしても、四人全員の赤点回避をするのは時間が足りないと言えるほど途方のないことだったのだ。
『どうするかな…』
Aは、そう言いながら改めてプリントを見返した。
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七瀬月華(プロフ) - サラミさん» サラミさん、コメントありがとうございます！一気読みするほど面白いと思っていただいてとても嬉しいです！更新頑張ります。これからもよろしくお願いします！ (2022年8月15日 10時) (
レス) id: 789243bd83 (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - コメント失礼します。すごく面白くて一気読みしてしまいました。これからも更新頑張ってください!! (2022年8月14日 21時) (レス) @page9 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2022年7月30日 13時
