想いが20つ ページ32
．
｢｢ちょぉっと待ったぁ!!!｣｣
その声の持ち主は帰ったはずの百合と夏実。二人の蔭に隠れていた伊織もひょこっと顔を出す。突然の大声に驚いた部員はボールを落とす。トスは上手く上がらず、スパイクを打とうとしていた腕が空を切った。突然の来客に誰もが驚いていた。Aまで、目を見開いて固まっていた。
そんな様子を気にも止めず、彼女たちはずんずんと体育館に入ってAのもとに向かう。そして、彼女の目の前で足を止めた。
『いやいやいや、何でいるの？先帰ってって言ったよね？』
｢おん、言われたで？｣
けろりとして夏実は返す。
『うん、じゃないよ。何でいるの？』
｢いやぁ〜Aが心配で心配で…｣
『嘘つけ』
ニヤニヤと百合が言う。
｢あはは…。でも百合の言ったことも間違ってはなくって、縁下君から連絡が来たの。「下手すれば片桐が爆発するから来てくれ」って｣
苦笑いを浮かべながら伊織が言う。Aはまだ状況を把握しきれず、縁下に聞く。
『縁下〜、ほんとに言ってる？てか何であんたが伊織の連絡先知ってるワケ？』
｢あー、連絡したのは本当。笹羽さんの連絡先知ってるのは、もしものためにって向こうから交換しましょうって…｣
Aは思わず頭を抱える。澤村の話を丁重に断って帰る予定だったはずだが、やることが一気に増えた気がした。
━◈━◈━◈━◈━◈━
『何で来たの？別に暴走も爆発もしないから帰ってくれてよかったのに…』
突然の来訪者が来てから数分後、Aたちは体育館の舞台の上にいた。
｢まぁ呼ばれたからちょっと心配になっちゃったんだよね〜｣
Aの問いかけに伊織がゆったりと返す。
二人で並んで舞台に腰掛け、コートを見る。百合と夏実はというと、少し離れたところでキャイキャイとはしゃぎながらバレー部を見ていた。
『ねぇ、伊織』
｢なぁに？｣
真っ直ぐと前を向いたままAは伊織に話しかける。それに反応して伊織は彼女の方を向いた。
『私さ、ご存知の通り、いっぱい隠していることがある。伊織のことを信頼して、信用して一つ教えるよ』
『私の出身は
『東京出身、だよ』
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七瀬月華(プロフ) - 夕陽さん» 夕陽さん、コメントありがとうございます！読者さんの意見を聞けることははじめてなので、そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2022年7月14日 16時) (
レス) id: 789243bd83 (このIDを非表示/違反報告)
夕陽(プロフ) - 初コメです。めっちゃ先の展開が気になります！更新頑張ってください！応援しています！(夢主ちゃんのツンデレっぷりすんごく好き！)伊織ちゃんの、夢主ちゃんのことを考えてるからこその葛藤もいいなと思っています！長文失礼しました！ (2022年7月13日 13時) (レス) @page48 id: 1eba8c5bca (このIDを非表示/違反報告)
七瀬月華(プロフ) - みわさん» みわさん、コメントありがとうございます！楽しんでいただき、とても光栄に思います。これからもよろしくお願いいたします！ (2022年4月30日 14時) (レス) id: 789243bd83 (このIDを非表示/違反報告)
みわ - 初コメ失礼します。いつもすごく楽しませてもらっております。これからも頑張ってください。 (2022年4月30日 14時) (レス) @page1 id: 729c546e88 (このIDを非表示/違反報告)
りーにゃ(プロフ) - 七瀬月華さん» きゃー！返信ありがとうございます！こちらこそよろしくお願い致します！ (2022年1月1日 21時) (レス) id: d5a894c308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2021年11月23日 1時
