想いが10つ ページ18
．
チャイムが鳴った。
｢よし、今回はここまで。さっき言ったところをきちんとやってくるように。次の月曜提出だからな。じゃあ号令！｣
級長の挨拶のあと、クラスメイトはすぐにガヤガヤとした雰囲気に戻り、帰宅の準備を始めた。
｢A〜さっきの問題わかった？また教えておくれ〜｣
『また今度ね、はい、今日のノート』
｢ありがとう〜！｣
『大袈裟』
大袈裟に喜ぶ百合に数札のノートを渡し、朝よりも少し減った荷物をカバンにしまい、HRを迎えた。が、特に大切な連絡事もなく、先生も｢期末考査に向けて勉強頑張れ｣とだけ言うと、あっさり終えてしまった。
｢片桐さん、じゃあまた後で｣
そういうと縁下は荷物をすべて持って、さらりと手を振り、教室を出ていった。
縁下が出ていったあと、Aは感じる視線にため息をついた。あのような行動が女子からの好感度を得やすいのだ。彼は無意識だろうが、現に数名の女子がこちらを向いてひそひそのなにやら話しているし、教室を出ていった彼をいまだに目で追いかける者もいた。こちらを見つめるその瞳には妬みや、うらやましいといった嫉妬が混じっていた。
何を話しているのか、Aに決して聞こえるわけではない。でも、何を話しているのか、だいたいは予想できた。きっと、｢話せてうらやましい｣だの、｢お前が話していんじゃねぇよ｣だの話しているのだろう。
彼は気づいていないが、男バレをはじめとする運動部員はモテる。もちろん、田中のような女子と話すのが苦手なもの、がらが悪いものなどの例外もいるから、一概にすべての人が当てはまるわけではない。
しかし、ほとんどの人が当てはまるのが現状だ。百合も言っていた。
｢うちの学校の男子運動部、顔がいい。マジでいい。顔面偏差値が高い。マジで高い。しかも性格までいい人がたくさん。どうかしてるよ｣と。彼女が言うのなら本当なのだろう。
Aはまとわりつく視線を払うように席を立つと、荷物をすべて持ち、スマホ片手に教室を出た。
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七瀬月華(プロフ) - 夕陽さん» 夕陽さん、コメントありがとうございます！読者さんの意見を聞けることははじめてなので、そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2022年7月14日 16時) (
レス) id: 789243bd83 (このIDを非表示/違反報告)
夕陽(プロフ) - 初コメです。めっちゃ先の展開が気になります！更新頑張ってください！応援しています！(夢主ちゃんのツンデレっぷりすんごく好き！)伊織ちゃんの、夢主ちゃんのことを考えてるからこその葛藤もいいなと思っています！長文失礼しました！ (2022年7月13日 13時) (レス) @page48 id: 1eba8c5bca (このIDを非表示/違反報告)
七瀬月華(プロフ) - みわさん» みわさん、コメントありがとうございます！楽しんでいただき、とても光栄に思います。これからもよろしくお願いいたします！ (2022年4月30日 14時) (レス) id: 789243bd83 (このIDを非表示/違反報告)
みわ - 初コメ失礼します。いつもすごく楽しませてもらっております。これからも頑張ってください。 (2022年4月30日 14時) (レス) @page1 id: 729c546e88 (このIDを非表示/違反報告)
りーにゃ(プロフ) - 七瀬月華さん» きゃー！返信ありがとうございます！こちらこそよろしくお願い致します！ (2022年1月1日 21時) (レス) id: d5a894c308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2021年11月23日 1時
