想いが6つ ページ11
．
｢最後はAだよね〜｣
『そう言うのいいから』
｢えぇー｣
ニヤニヤと楽しそうに笑う百合に拒否の意を示すA。彼女も彼女で、褒められるなんて柄じゃないと思っている。早く切り上げたいAの気持ちとは裏腹に、百合と夏実は話を進めていく。
｢Aはさ、正直じゃないよね｣
｢せやな、正直やない。せやけど、そこが可愛い｣
｢わかる｣
ぐっと手を握りあい、真剣な表情で話し合う二人に、Aはため息をつく。こうなった二人は止まった試しがない。Aには、諦めるしか選択肢が残っていなかった。
伊織を見ると、伊織も苦笑いをして二人を見ていた。要は、伊織も諦めていると言うことだ。
｢素直じゃないからさ、だから…｣
いつの間にかふざけた雰囲気がなくなって、百合はそっと目を伏せて言う。
伊織も夏実も驚いていた。Aは｢伊織が気がついてないならきっと誰も気づかない｣と思っていたため、意表を突かれる。
｢だから、話したい、聞いてほしいって言えないんでしょ？｣
顔をあげた百合。彼女の顔はニヤニヤと笑っていた。
しかし、目は笑っていなかった。真剣そうにこちらを見つめる瞳。
やけにゆっくりに見えるその動作。
いつもおちゃらけているクセに、こういうことだけ気がつくのだ。
Aは、彼女の“こういうところ”が
気がついてほしくないところに気がついて、ずかずかと土足で侵入してくるところが。
人が必死で隠したものを、あっさり暴くところが。
人が懸命に築き上げたものを何事もなかったかのように壊すところが。
驚く間もなく日陰から手を引かれ、明るい日差しの下へ連れていくところが。
そんなところが、大嫌いだった。
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七瀬月華(プロフ) - 夕陽さん» 夕陽さん、コメントありがとうございます！読者さんの意見を聞けることははじめてなので、そう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2022年7月14日 16時) (
レス) id: 789243bd83 (このIDを非表示/違反報告)
夕陽(プロフ) - 初コメです。めっちゃ先の展開が気になります！更新頑張ってください！応援しています！(夢主ちゃんのツンデレっぷりすんごく好き！)伊織ちゃんの、夢主ちゃんのことを考えてるからこその葛藤もいいなと思っています！長文失礼しました！ (2022年7月13日 13時) (レス) @page48 id: 1eba8c5bca (このIDを非表示/違反報告)
七瀬月華(プロフ) - みわさん» みわさん、コメントありがとうございます！楽しんでいただき、とても光栄に思います。これからもよろしくお願いいたします！ (2022年4月30日 14時) (レス) id: 789243bd83 (このIDを非表示/違反報告)
みわ - 初コメ失礼します。いつもすごく楽しませてもらっております。これからも頑張ってください。 (2022年4月30日 14時) (レス) @page1 id: 729c546e88 (このIDを非表示/違反報告)
りーにゃ(プロフ) - 七瀬月華さん» きゃー！返信ありがとうございます！こちらこそよろしくお願い致します！ (2022年1月1日 21時) (レス) id: d5a894c308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2021年11月23日 1時
