【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅵ (ページ33)

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標的71　どっちものせい－１ページ33

麗羅視点

物音がして目が覚める。

顔に乗っていた氷袋を退かすと、横のソファーに座っている山本君が視界に入った。

山本君が眺めている空は赤色と藍色が混じっていて、寝るつもりは無かったのに何時の間にか寝てしまっていたのだなと思った。

「はよー」相も変わらず爽やかな山本君に「おはよー」と返しながら、上半身を起こした。

山本君が心配そうに腰を上げるのを、あたしは言葉で制した。

｢大丈夫だよ。お昼には起きたから｣

｢おう、小僧から聞いたぜ。
だから飛んで来た｣

言われて気が付く。

山本君はユニフォームを着たままだ。

家に帰る処か着替える時間まで削って会いに来てもらえた事は嬉しいけど、寝てしまっていたから申し訳無い。

そもそも、そんなに急いで来てくれなくても怒らないのに。

山本君のそう云う友達思いの所は好きだ。

枕元に置いた氷袋を見遣る。

これは何時からあったのだろう。

そう云えば、自分が情けなくなって泣いてしまったんだっけ。

｢そっか。また山本君に迷惑掛けちゃったんだね｣

氷袋に手を置きながら、思わず心の声が零れた。

「え？」驚きに声を発した山本君の顔は顰められていて、あたしは慌てて「何でも無い」と笑ってみせた。