【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅵ (ページ32)

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標的70　お見舞い－２ページ32

麗羅視点

｢そう云えば、ツナ君と山本君は？｣

｢ツナは家で寝てるぞ。
超化したせいで筋肉痛になって動けねーんだ｣

｢野球馬鹿は部活っすよ。
試合が近いらしいっす｣

｢筋肉痛程度で欠席とは、治ったらねっちょり鍛えさせる必要があるな｣

｢麗羅さんより野球を優先するなんて、今度果たして来ます｣

目をぎらつかせる二人を見て、ツナ君と山本君の身を案じずにはいられなかった。

あたしの身を心配してくれた二人は、あまり長居せずに帰って行った。

しんと静かになった病室の中、あたしは上半身を後ろに倒した。

包帯の巻かれた右手を白い天井に翳して、気絶する前の記憶を辿る。

脇腹を貫通された後の事は、殆ど憶えていない。

目の前にいる人間は敵だから倒さなければならない、憎むべき相手だ、と云う意識だけがあって。

唯一憶えていたのは、優しい、でも悲し気な「ごめんな」と云う言葉だった。

ローシさんによると、ナハトさんの双子・ナイトさんに催眠を掛けられて、山本君に棍を向けていたらしい。

それを聞かされた時は死にたくなった。

(あたし、役に立つ処か足引っ張っただけだ。
被害にあった人は全員退院して、まだ入院しているのはあたしだけらしいし)

ぼやけた視界を誤魔化すように、目元に強く腕を押し付けた。