【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅵ (ページ21)

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標的66　大切なもの－１ページ21

麗羅視点

ナハトが晴の死ぬ気の炎を灯した手を此方に向けると、植物の幹や枝が一直線にボクに襲い掛かる。

死ぬ気の炎については詳しく教えられているから、ナハトの攻撃の仕組みは分かる。

だから、攻撃を打ち消す事自体は簡単だった。

雪の死ぬ気の炎を手に灯すイメージで棍を強く握る。

すると、大きな氷が棍の両端をコーティングした。

――凍りつく武器(コンジェラスィ・アルマ)。

今回の戦いに向けてローシさんに教えてもらった、雪属性の二つ目の技だ。

両端をコーティングする氷は唯棍を強化するだけでは無く、物体を内側から瞬時に凍らせ、空気に触れる表面部との温度差によって物体を破壊する効力を持っている。

しかし、破壊してからボクが反撃する前に次の攻撃が来て、ボクはナハトに近づく事すら構わなかった。

｢おいおい、最初の威勢は何処に言ったんだ？口だけかぁ？｣

ナハトの挑発。自分はまだ一撃も攻撃していないと云う事実。

つい冷静ではいられなくなってしまったのと、今までの攻撃が規則的であった事もあり、ボクは乱暴に棍を振るってしまった。

枝先に橙色の実が付いていた事に気が付いたのは、橙色の飛沫を浴びた時だった。

身体が痺れ、立っていられなくなって両膝を突いた。

地面に触れている筈の膝の感覚も、握っている筈の棍の感触もあまり無い。

動かそうとしても思い通りに動かない。

強い痛みを伴ってゆっくりとしか動かない腕は、神経が働いて無いみたいだ。