【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅵ (ページ18)

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標的64　死の植物－６ページ18

リボーン視点

「うわぁああああ！」炎の中からナハトの悲鳴が上がった。

それに喜ぶ獄寺と山本。

ツナは呆然とその光景を眺めていた。

｢お前ら何ぼーっとしてんだ馬鹿共！
このままだと、麗羅も一緒に全焼するって最初に言っただろーが！｣

俺の一言で、この場にいる全員が叫呼した。

慌てて麗羅の元へ行こうとするツナを獄寺が止める。

一応ビアンキが水を探しに行ったが、既に炎は『俺の領域』にまで燃やし始めている。

恐らく水を引いて来た処で焼け石に水だ。

炎によって赤く染め上げられたマントは、毒が回っているので当然だが動く気配が無い。

そのまま炎に飲み込まれ、姿が見えなくなってしまった。

俺は唇を噛み締めた。

こうなったら、手持ち最後の死ぬ気弾を撃って、ツナに救助活動をさせるしか手は無い。

しかし、そうすればツナも麗羅も全身大火傷だ。

見るも無残な身体になるのは勿論、一生寝たきりになる可能性が高い。

最悪の場合、二人揃って死亡だ。

これがお前の信じる『物語』の結末か？

お前が望んだ事なのか？

敵と一緒に無理心中して、大切な仲間に悲しい思いをさせる事が。

そんな最悪なモノガタリも、大切な物を見失っちまったお前も、この俺が叩き直してやる。

死ぬ気弾を装填し、撃鉄を引く。

引き金に人差し指を置き、ツナの脳天に標的を合わせる。

そうして引き金を引こうとした、その時……炎の中で何かが煌めいた刹那、燃え盛っていた炎が一瞬にして消火された。