【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅵ (ページ15)

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標的64　死の植物－３ページ15

リボーン視点

｢一方的にナハトの攻撃を受けてる！
このままじゃ不味いんじゃない！？｣

｢ああ。アイツ、息が上がって来てるぜ｣

不安気な眼差しをドーム内へ送るツナ。

視線は中に向けたまま、山本が返事した。

防御が荒くなっている麗羅を、ナハトが嘲笑う。

｢おいおい、最初の威勢は何処に言ったんだ？
口だけかぁ？｣

挑発するナハトは、一際大きな死ぬ気の炎を手に灯した。

現れた植物の枝先には、橙色の丸い実が付いている。

麗羅が丸い実ごと枝を砕くと、実は麗羅の顔の前で弾けた。

橙色の飛沫が飛び散る。

瞬間、麗羅はその場に両膝を突く。

直後に伸びて来た幹を諸に喰らって、ドームの壁にぶち当たった。

｢何が起こったの！？｣

｢今の橙色の丸い実は、マチン科マチン属の常緑高木、ヌックス・フォミカ。
通称『ホミカ』ね。
ホミカはアルカロイドの『ストリキニーネ』と云う、非常に強い毒性を持った有毒植物よ。
種子一個に含まれる毒でも、全身筋肉の痙攣を引き起こすの｣

｢全身が痙攣って、そんなの洒落にならないよ！｣

｢でも可笑しいわ。
ホミカには中枢神経興奮作用があって、薬用植物としても使われているの。
顔に飛沫を浴びた程度で痙攣を引き起こす筈が無いわ｣

顎に手を宛て、ビアンキが険しい顔で麗羅を見る。

麗羅は棍を杖にして何とか立ち上がっていた。

棍も身体も、遠目で分かる程震えている。

ビアンキの言った通り、痙攣しているのだ。

完全に麻痺していないのが不幸中の幸いか。