【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅴ (ページ10)

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標的50　好きなのは誰？－２ページ10

麗羅視点

足を組んで優雅に机に座って一連の流れを見ていたリボーン君は、足を組み換えながら「折角だ、」と口を開いた。

｢お前ら、色々ランキングしてもらえば良いじゃねーか｣

｢そうっすね。ランキング小僧には、訊いてみたかった事があったんです。
フウ太！『十代目の左腕に相応しいランキング』で、俺は何位なんだ！？｣

｢んー……。大気圏外｣

拳を握って顔に緊張の色を浮かべる獄寺君へ、少しの間宙を見上げていたフウ太君が容赦無いランキング結果を突きつけた。

しかも大気圏外、地球の外だ。

あまりのショックで石化してしまった獄寺君を、よっこらせと退かした朴念仁・山本君は、「俺は何が良いかなぁ」と存外真剣に考えていた。

｢じゃあさ、『麗羅の好きな人ランキング』を教えてくれねーか？｣

「へ！？」唐突に自分の名前を出され、思わず素っ頓狂な声を出してしまった。

ツナ君は少し赤面し、リボーン君は何故かニマッと怪しく笑む。

笑顔の筈の山本君が、自分から言い出した癖に何だか緊張しているように見える。

恥ずかしくなって止めさせる為にフウ太君へ駆け寄った際、カーテンの向こうでしとしとと雨粒の音が聞こえた。

｢雨、降り始めていたんだねー｣

カーテンを開けてみると、最近ではほぼ毎日顔を合わせている雨雲が大空一帯を覆っていた。

雨粒がはっきり目に見えて、今日は久しぶりの晴だと思っていたのに、一日と持たなかったらしい。

雨だと分かった途端、フウ太君はぐったりとベッドに倒れ込んだ。

気怠げにフウ太君が事情を説明すると、石化していた獄寺君がむっくりと起き上がって復活した。

雨のおかげで、今日のランキングは無効になった。

でも実を言うと、自身でも分からなくなっている『好きな人ランキング』を聞いてみたかった。

(ねえ。あたしの一番大切な人って、今は誰？)

当然ながら答えは返って来ない。灰色の空を見上げて、あたしは溜息を吐いた。