【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅴ (ページ8)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:34,105 hit

標的49裏　相合傘－２ページ8

ツナ視点

放課後。突然の雨にどうしようかと悩んでいると、イーピンが折り畳み傘を持って来てくれた。

しかしイーピンの言う通り、傘は一本だけ。

麗羅の性格からして「先に帰ってて」と言われる気がして、俺は恥ずかしながらも相合傘を提案した。

どうか京子ちゃんに見られませんように、と念じつつ……俺じゃ無くて山本の方が麗羅は嬉しいのかな、とも思った。

ダメツナの俺と人気者の山本の二択なら、大抵の人間は山本を選ぶ。

俺を選んでくれると確信出来るのは、悲しいかな同姓である獄寺君だけだ。

話は逸れてしまったが、麗羅は山本をどう思っているのだろう。

山本は間違い無く麗羅の事が好きだと思うが、正直言って麗羅はよく分からない。

違う話からさり気無く訊くと云う芸当は俺には出来ないので、体育の時と同じく直球な訊き方をした。

｢麗羅って、山本の事好きなの？｣

｢勿論。山本君は優しいよねー。尊敬しちゃう｣

麗羅からは、照れや焦りが全く窺えない。

まだ麗羅は其処までは行っていないのかもしれない。

でも、山本は無自覚で色んな女子を虜にしているから、山本が本気になったら麗羅も好きになると思う。

麗羅も山本ものほほんとしているが、山本のはちょっと質が悪い。

(って、俺がこんなに気にしたって意味無いし！)

自分が『恋バナに生きる女子』みたいになっている事に気付いて、俺はがっくり項垂れた。