【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅴ (ページ7)

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標的49裏　相合傘－１ページ7

ツナ視点

――山本って、麗羅が好きなの？

地震があったあの日、揺れが治まっても中々戻って来ない二人を心配して、俺はリビングに行こうと階段へ行った。

すると、麗羅と山本が抱き合っている姿を見てしまった。

麗羅は此方に背を向けていたから分からないけど、少なくても山本は本気だった。

天然で何時も笑みを絶やさない山本が、真剣な眼差しを麗羅に向けていたのだ。

俺と目が合った時だって、俺には声も掛けてくれずに、山本は麗羅に視線を戻した。

あの二人の姿が、脳裏に焼き付いて離れなかった。

麗羅の事が好きだとか、山本に嫉妬しているだとか、そう云う事では無いのだけど……。

あの光景を獄寺君やリボーンじゃ無く俺が見て良かった。

ややこしくなるし。

あの光景を見てから、俺は複雑な気持ちでいっぱいだった。

｢山本って、麗羅が好きなの？｣

そして、冒頭の台詞になる。

体育の時間に、獄寺君がいない事を良い事に――麗羅には懐いていて、山本にはつっけんどんだから――意を決して訊いてみた。

すると、山本は「勿論」と清々しい程にあっさり認めたのだ。

｢ツナは麗羅の事好きじゃねーの？
喧嘩でもしたか？｣

｢えっ、え？いや、『好き』って『ライク』の方じゃ無いんだけど……｣

あれで無自覚だったんだ。

首を傾げる山本に、俺は「何でも無い」と首を振った。