【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅴ (ページ5)

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標的49　相合傘－１ページ5

麗羅視点

――ざぁああー！

靴を履き替えて校舎を出ようとすると、外は灰色の雲と雨粒の音に包まれていた。

恐らく通り雨だ、スコールの如くよく降っている。

折り畳み傘を入れた覚えは無いので絶対に入っていないが一応鞄の中を漁って探してみるも、やっぱり傘なんて持っていなかった。

普通の傘も勿論無い。

隣で「どうしよ」呟くツナ君に、「そうだね」と返す。

ツナ君も傘は持っていないようだ。

獄寺君は今日は欠席、山本君は部活で不在だ。

周りには、何人か携帯電話を取り出して親を呼んでいる人の姿がある。

あたしも携帯電話は持っているけれど、電話する親はいない。

ちょっとだけ淋しくなった。

｢多分、少しすれば止むと思う。
暫く教室にいよっかー？｣

｢さっき先生が戸締りしてたから、開いて無いよ｣

それもそうだと諦めた。

なら図書室にでも行こうかと再びツナ君を誘おうとした処で、折り畳み傘を片手に持ったイーピンちゃんが走って来ているのが見えた。

もう片手には自分の傘が握られている。

これはもしかして……あたしの予想通り、イーピンちゃんはあたし達の前まで来ると、ツナ君に傘を差し出した。

｢傘！ママンに頼まれた！｣

一本のおさげを揺らして、にこっ。

細いイーピンちゃんの目が更に細められた。