【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅴ (ページ23)

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標的57　獄寺不在ページ23

麗羅視点

体育の授業が終わって、あたしは教室に戻って来た。

よく一緒にいる京子さんも黒川さんも欠席、他の人も沢山欠席していて、今日の学校は随分淋しくて殺風景だ。

街を制圧している風紀委員が襲われているのだから、無理も無い話だけれど。

そんな人が少ない教室だ。

獄寺君が此処にいない事は、見てすぐに分かった。

自分の席に座っている山本君に近づく。

あたしに気が付いた山本君も、立ち上がって此方に歩み寄って来た。

「お疲れー」と朝と寸分変わらず元気な山本君に少し癒されつつ、あたしは獄寺君の居場所を訊いた。

嫌な予感がする。

｢獄寺なら、体育が始まる前に帰ってったぜ。
ケータイの電池が切れたって言って――｣

｢そう、ありがとー！あたしも早退するね！｣

山本君の言葉を最後まで聞かずに、体操服も机の中に入れっぱなしの教材も鞄も置きっぱなしで、あたしはマントだけ持って教室を飛び出した。

何が『少しでも未来を良い方向へ変えるのが、未来を知る自分の役目』だ。

体育の授業が始まる前に獄寺君が早退したと云う事は、既に四十分は経っている。

獄寺君を守ろうと思っていたのに、これでは完全に後者に回っている！

マントに腕を通しながら階段を飛び降りる。

タンッ、とあたしが着地した隣に影が見えて、振り返って見ると山本君が付いて来ていた。

｢よく分からねーが、俺も一緒に行くぜ｣

山本君が歯を見せて笑う。

あたしは「ありがと！」と大きく頷き、大きなフードを頭に被った。