【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅴ (ページ17)

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標的54　俺はお前が……－１ページ17

山本視点

倒した窃盗犯から金を巻き上げた後、雲雀は俺達の売り上げにまで手を出そうとした。

必死に売り上げを守るツナの前に立ちはだかる。

一方、麗羅は雲雀の方へ歩み寄ったと思えば、学ランの袖を軽く引っ張ってお願いしていた。

暫く見つめ合った後、先に視線を逸らしたのは雲雀だった。

『おにぎりの借り』と聞いて思い出すのは、調理実習の日にもらった歪な形をした――でも凄く美味しかった――おにぎり。

俺がもらった時に一緒だったツナと獄寺ももらった事は勿論知っていたが、どうやら雲雀までもらっていたらしい。

立ち去る際、あの雲雀が麗羅の頭を撫でていた。

それから、雲雀がいなくなるまでその後ろ姿を見守っていた麗羅。

二人が親密な仲に見えたのは、俺だけでは無い筈だ。

それが面白くなくて、すぐに麗羅の元へ行き俺は顔を覗き込んだ。

雲雀の痕跡を上書きするように、頭を撫でながら。

「何ぼーっとしてんだ？」と云う俺の言葉を、麗羅は軽く流して身体ごと俺から逸らしてしまった。

その態度で、心のもやもやが大きくなる。

｢俺と獄寺君は戻るね！
二人は休んでて良いから！｣

思い出した風に話を切り出したツナだったが、俺に気を遣ってくれているのだと一瞬で分かった。

獄寺を引っ張って行くツナに、目配せをされる。

俺は、獄寺がトイレに行ってツナと二人で店番をしていた時の事を思い出した。