【リボーン】並盛に舞い降りる白雪Ⅴ (ページ1)

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標的48　水遊び－１ページ1

麗羅視点

｢良いか、ツナ。ぐっと潜って、んーぱっ、んーぱっ、ぐっぐって。
そうすりゃ、すいーっと行くから！｣

山本君の擬態語と身振り手振りと云う感覚的過ぎる泳ぎの指導に、ツナ君は『意味分かんねーよ』と書かれた顔で頷いていた。

此処は近くにある市民プール。

もうすぐ水泳のテストがあって、ツナ君の猛特訓をしに来たのだ。

山本君と獄寺君とリボーン君と、笹川先輩、ハルさんが練習相手だ。

三浦ハルさん。有名な私立・緑女子中学校の一年生で、あたし達と同い年の女子である。

黒茶色の髪を高い所で一つに結んで大きな釣り目のハルさんは元気溌剌で、京子さんとは一味違う可愛さを持っている。

｢助けて下さい！泳いで助けて下さい～！
ハルの為ならツナさんは泳げます！」

わざわざ足の付く場所で溺れている振りをしているのがハルさんだ。

ハルさんは思い込みが激しい所があって、最初はツナ君を敵対視していたけれど、今ではツナ君大好きっ子だ。

ツナ君も隅に置けないね。

兎も角、これだけ沢山の人が集まっているのにも関わらず不安になるのは、全員何処かずれているからだろうか。

何処からかホワイトボードを持って来て理論指導をする獄寺君を、あたしは日陰に座って眺めていた。