標的28裏 この命、預けます ページ10
獄寺視点
｢麗羅さん、十代目、おはようございます！｣
朝、ご一緒に登校された麗羅さんと十代目に、俺は深々と頭を下げた。
俺は獄寺隼人。ボンゴレ十代目となる人が、俺と同い年の上に日本人であると聞き、相応しい人かどうか、確かめに来日した。
俺が麗羅さんと十代目と初めて会ったのは、二日、三日前の話である。
体育館で剣道の勝負をしている十代目候補、沢田綱吉を偵察していると、「ツナ君のお友達ですか？」突然後ろから声を掛けられた。
一切の気配を感じなかった俺は、慌ててダイナマイトを取り出し、声を掛けた女を睨み付ける。
すると、女は降参のジェスチャーをした。
「誰だ」訊くと、女は少し怯えた様子で名乗った。
気配を消して人の背後に回り込むとは、只者では無い。
一度はそう思ったが、女は小学生のガキにしか見えない出で立ちをしている。
まだ攻撃もしていないのに怯え、とても殺し屋とは思えない。
ガキ一人に殺気立ったのが馬鹿馬鹿しくなり、その場を去った。
しかし、やはり俺の勘は間違っていなかったらしい。
女は俺よりも先にイタリアから来、沢田綱吉に接近していたのだ。
女も、九代目が最も信頼するヒットマン、リボーンに呼ばれたと云う訳か。
｢麗羅はツナの右腕だぞ。まずはコイツを倒してからにしろ｣
実際は、刺客では無く部下の方だったようだ。
だが、刺客だろうが部下だろうが、俺の邪魔をする奴は、一人残らず消すだけだ。
身体に仕込んである大量のダイナマイトを出して、中低ごと大爆発させた。
更に煙の中へダイナマイトを投下したが、すばしっこい女は、俺の攻撃を軽々と避ける。そして「変化(カンビオ)」と叫ぶと、何処からか現れた棍で、女は俺の肩を強く突いた。
躱せず、次々にダイナマイトを手から零してしまった。
このまま自爆してしまう。
そう諦めていたが、しかし爆発は怒らなかった。
女が地面に棍を突くと、冷風が吹き、ダイナマイトが消火されたのだ。
女は、主を倒そうとした敵である俺を、助けて下さったのだ。
｢おはようございます、獄寺君｣
｢獄寺君、来るの早いね。おはよう」
｢勿論です！ お二人よりも遅くなる訳にはいきませんから！｣
はきはきと答えると、お二人は笑みを浮かべて下さった。
俺を助けて下さった麗羅さんと、その主である十代目。
一生このお二人にお仕えしようと、俺は強く誓った。
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レイチェル - S隊長さん» そう言って頂けると、嬉しいです。これからも頑張ります。ありがとうございます！ (2018年5月6日 11時) (
レス) id: e5404397aa (このIDを非表示/違反報告)
S隊長 - すごく面白くて更新を毎日楽しみにしています！！ (2018年5月5日 21時) (レス) id: c58740c157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル | 作成日時：2018年4月30日 17時
