【リボーン】並盛に舞い降りる白雪 (ページ43)

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標的16　ヴァリアーと出立－１ページ43

麗羅視点

｢なあなあ、本当に日本行くの？
ずっと住んでても良くね？｣

｢いや。日本に行って、会わなければいけない人がいるので｣

淋しそうにしてくれるベルさんを嬉しく思いつつ、あたしはやんわりと断った。

あたしは沢田綱吉さんの元へ行き、彼の『守護者』にならなければいけないのだ。

ベルさんは「そっか」と呟いた後、スクアーロさんに顔を向けた。

｢なんでスクアーロが一緒に乗んの？
俺も一緒に乗りたい｣

｢ダメだぁ。ベルお前、まだやってない書類が残ってるだろぉ｣

｢だって書類とか面倒臭ぇもん。
スクアーロが代わりにやっておいてよ｣

｢う゛ぉおおい！たまには自分でやれぇ！｣

スクアーロさんが怒鳴る。

昨日、スクアーロさんの部屋の机に積まれていた書類の束は、凄まじい高さだった。

あれを頻繁に持って来られては、スクアーロさんの身体が持たないと思う。

ベルさんには、もう少し自分で書類を片付けて欲しい。

ベルさんは暫く黙り込んでいたが、根負けした。

子供みたいに頬を膨らませ、唇を尖らせている。

不機嫌なのが、ありありと伝わって来る王子様である。

｢麗羅ちゃんがいなくなると、淋しいわねぇ。
ヴァリアーって女の子いないから、むさ苦しいのよ。
女子会とかしてみたかったわ｣

｢女は姫しかいねーじゃん｣

ぼそりと囁かれたベルさんの小言に、あたしは苦笑した。