【リボーン】並盛に舞い降りる白雪 (ページ14)

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標的５　行き違いすれ違い－２ページ14

麗羅視点

フラン君は、優しい子だと思う。

今だって、あたしが変な事を言い出したのを、自分のせいだと思ってしまう。優し過ぎる子。

だからこそ、言えないと思った。

あたしがトリニセッテを守る為に裏社会の人間になる事を、フラン君は許さない。

あたしの事を思って止めるか、一緒に来たがるかの何方かだ。

そんな事、絶対にさせられない。

｢……ただ、街に出てみたいなーって思ったんだよ｣

我ながら苦しい言い訳だ。

街に出るのにフラン君を置いて行くなんて、これでは、まるでフラン君を嫌っているようだ。

フラン君の顔から、一切の表情が消えた。

｢ふーん。麗羅は、ミーの事嫌ってたんですね｣

否定する前に、フラン君が「いやー、」と言葉を繋げる。

｢もう麗羅の顔を見なくて済むんですねー。清々しました。
ミーが足遅いの知ってて、わざと夕方に川へ行くようにしてたでしょー？ミーの事、上から目線で
見てたでしょー？｣

｢それは、｣

｢嫌いだからってそう云う嫌がらせするの、最低ですよね｣

嫌いだから置いて行くんじゃ無い。

嫌いだから上から目線だった訳じゃ無い。

嫌がらせで速く走ったんじゃ無い。

フラン君が大好きだから、フラン君が弟みたいに身近だから、フラン君が可愛かったからなのだ。