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「あーあ、悲しかったなあ。きょもの特別は、愛されてるのは俺だけだと思ってたのに」
そう言うと焦ったように口をパクパクさせて弁明をするきょも。
京『ちがう、ちがうの、じゅりだけだよ、俺が愛してるのはじゅりだけ！』
「どーだか。そんなの口だけなんじゃないの？」
わざと少し冷たい目で見てみたら顔を真っ青にさせて、元々白い肌がさらに青白くなっていく。
血の気が引くってこういうことなんだろうなぁ。
初めて生で見たかも。
京『ほんと！ほんとだよ！だからおねがい、捨てないで、やだ、やだよ、』
大きな瞳からポロポロと溢れ出す綺麗な雫。
あ、泣き出しちゃった。やり過ぎたかな。
泣き虫なところも愛おしいよ、なんて。
さすがに可哀想だから意地悪ごっこはここでおしまいにしようかな。
「ははっ、俺がきょものこと捨てるわけないでしょ？早とちりしすぎ！」
京『…怒って、ない、？』
涙に濡れた瞳で見つめられグラッと来たけど、我慢我慢。
「最初はガッカリしたけど俺もやり返したからお互い様だしね。もう怒ってないよ」
京『よかった、よかったぁ…っ』
安心したように俺の肩に顔を埋めて来るきょも。
たまらず抱きしめた。
「でも、次同じことしたら、ね？どうなるかわかんないよ？」
一応忠告。
まあもう二度とこんなことないと思うけど。
京『もうしない！俺が愛してるのは樹だけだから、！』
顔を上げまだ少し濡れている目を合わせてそう宣言される。
「そっか。よかった」
『ふふ、じゅり愛してる！』
優しく微笑んで頭を撫でてあげると嬉しそうに笑う。
そんなきょもを見て、2年かけて躾けた甲斐があったなぁ、なんて。そんなことを思った。
…きょもは昔「俺が樹を飼ってるんだよ」なんて言ってたけどさ、今はどうだろうね。
俺がご主人様で、きょもが飼い犬。きっとそうでしょ？
でも俺を飼ってるつもりのきょもが可愛いすぎるからさ、まだ飼われてるフリしててあげる。
俺も愛してるよ。
可愛い可愛い、俺だけのきょも。
END
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作者名：レイ | 作成日時：2021年4月17日 18時
