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暫く探し回り足も動かなくなってきた頃、気づけば空は暗くなっていた。
電光掲示板に映し出された時刻は23時55分。
地球が滅びるまであと5分。
これだけ探しても見つからないのに、後5分なんて。
もう彼には会えないのか。
そう諦めかけた時、視界の端に大きな人だかりが見えた。
その中心部に埋もれていた金色を見つけた瞬間、重かった足が軽くなる。
『…居た』
俺は走った。
知らない女共を押しのけて、彼に手を伸ばす。
『っ京本！！』
京「…うそ、ほく、と？」
恐る恐る伸ばされた手をしっかりと掴み、自分の方に引き寄せた。
"え、北斗くんじゃない？"
"2人って不仲なんじゃ…"
などという声は聞こえないふりをして、京本を見つめる。
女どもにもみくちゃにされた京本の服ははだけていて、涙を浮かべながら小さく震えていた。
京「北斗…来てくれて、ありがとう」
『…家まで行ったのに、なぁんで外出てんのよ』
背中を擦りながら問う。
京「俺、会いたい人がいて…北斗こそ、なんで家居ないの」
その言い方… 京本は俺の家に行ったの？
『俺にも会いたい人が居たの』
京「…それ、誰か聞いてもいい？」
不安げな表情で俺を見つめてるけど、安心していいよ。
だって、
『貴方に決まってるでしょ…俺さ、京本のことがずっと好きだったんだよね。だから最期に伝えたくて、京本のこと探してた』
そう伝えるとポロポロと涙を零して
京「…どうしよう、っ嬉しい…ありがとう…っ」
なんて言うからさ、期待していいよね？
電光掲示板を見ると、残り30秒。
『返事、聞いてもいい？』
京「俺も北斗のことずっと好きだった…っ！だからどうしても伝えたくて家出たのに北斗に会えなくて、知らない人達に囲まれて怖かった…っ北斗、来てくれて本当にありがと…大好きだよ…っ」
涙を流しながら言葉を紡ぐ京本が愛おしくて人前だと言うのにキスをした。
どうせ残り10秒だし良いだろ。
『京本、…愛してる。こんな俺を好きになってくれてありがとう。』
あーあ、両想いだったならもっと早く伝えていれば良かった。
人生が残り数秒で終わるってのに、今が1番幸せだ。
京「俺も、愛してる…っ！」
愛しい彼と見つめ合い、もう一度唇が触れ合ったところで俺の意識は途絶えた。
END
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作者名：レイ | 作成日時：2021年4月17日 18時
