8話 ページ10
『苦しいじゃん』
リト「まあな…」
リトに今レイを避けるということを説明した。
リト「好きならアタックしろよ」
『だって…しようと思ったけど朝みんなをビックリさせたでしょ？あーなっちゃうんだよ』
リト「お前、不器用だな」
そう言ってニタニタ笑われる。何笑ってるの。リトのくせに。
『リトだって片思いしかしてないんでしょ！』
リト「くそ…痛いとこつくな…」
『ねえリト。私、リトの事好きだよ』
家族的にとは口に出さなくてもわかりあえる。
リト「何急に。俺もだけど。」
『ふふ』
こういう、まったりした時間が好き。
大切な人と一緒にいれる。それって、当たり前じゃない。
たとえば、いつリトが出荷されるか分からない。
次は私が出荷される番かもしれない。
だから、この時間を大切にしたい。
『あ！あった！！ねえリト！！ねえ！！』
リト「まじ？！」
『早く！早く来て！！』
リト「わかったわかった。待てって。」
本を手に取り机に置く。
この本を読むのは何年ぶりだろうか。
恐る恐るページをめくる。
やっぱり、この本だ。忘れられない本。
リト「なんか俺、いい事ばっかりかも」
『なんで？』
リト「だって、俺の好きな木見つかったんだろ？」
『あ、そうだった。この本に出てくるんだよね。』
リト「あぁ。1章の98ページ。そこからその木の話が始まるんだよ」
『そうなんだ。ね、行こうよ。本も見つかったし、木のところに。』
リト「あぁ。そうだな。」
リトは本を大切そうに持ち、歩き出した。
*☼*―――――
森の奥の方に歩いていく。
『ここだよ。リト』
特徴的な葉っぱだからすぐに分かる。
リト「ホントだ…」
リトは好きなものはじっくりと見る。
触った感触、葉っぱの色合い。
今からそれをするんだろう。だから私は近くの小さな川の所に行く。
『♪。.:＊・゜♪。.:＊・゜』
歌を歌う。スミを思い出し、忘れなれないように。
貴方のことを私は忘れない。たとえ、この世界の私以外が忘れてしまったとしても。
貴方は私の中で生きているの。大切なんだ。
気持ちを込めながら歌う。
『♪。.:＊・゜。.:・゜』
この歌に歌詞はない。だけど音程は決まっている。
スミが教えてくれた歌だ。とても、素敵な歌。
歌うことを私は忘れていた。
だからもう、忘れないように歌う。
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凛音 - 本当に面白いです！続きがめっちゃ気になります！頑張ってください！ (9月30日 23時) (
レス) @page24 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
竜の落し子 - すっっっっっっごい面白い！！ (2022年2月14日 22時) (レス) id: 1eb9639434 (このIDを非表示/違反報告)
ユウゴ - 続きが読みたいです！！楽しみに待ってます！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
ぴらるく - とてもとても面白かったです！もう続きは書いてくださいませんか？ (2020年4月24日 9時) (レス) id: 995d2a3f3d (このIDを非表示/違反報告)
たまねぎ(プロフ) - もうこの作品は更新されないのですか？続きが読みたいです(><) (2019年7月13日 1時) (レス) id: 3fd24887de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moca.sararenon | 作成日時：2019年3月2日 9時
