波乱の幕開け？ ページ17
ある日のことだ。
伊吹が店を訪れるとAがいなかった
いないことは珍しくないのだが今日はシフトが入っていたはずだ
「真弥ー！！Aさんは？」
「あー、すぐ戻ってくるって、あ！ごめん俺注文受けないと〜、今行きまーす！」
「？、何でいないかが知りたいんだけどな...茜ちゃん知ってる？」
「んー、茜ちゃんちょっと言えないかなぁ..」
なんだか皆がおかしいように感じた伊吹
外にいるのかと思い外に出ようとした
「ちょ、どこ行くのワンコ君」
「え、外探そっかなって」
「待って待って、ココア奢るよ？」
「うーん、Aさん見付けてからにして？」
「じゃあ私がフレンチトースト特別に作ってあげるから待って！！」
「何そんな焦ってるんだよ、二人とも」
「焦ってねえよ、別に」
ぎくしゃくとした真弥と茜に不信感を覚え、眉を潜める伊吹だが、その理由がわかった
「言えねぇよな、Aが女子に呼ばれていねぇなんて」ﾎﾞｿｯ
「は？」
「え、聞こえたの？まじで？」
「そんなこと良いから、本当？Aさんが呼ばれたって」
「....マジ」
「は、ははっ、そっかぁ、うん、Aさんモテそうだもんね、あー、とりあえず俺、一旦帰るわ...」
「ワンコ君、OKしたとは限らないよ？」
「う、ん。でも、ちょっとキツイ」
「まじ、ごめん、帰るね」
ｶﾗﾝｶﾗﾝ
シリアスな雰囲気でも扉の鈴の音はいつも通り
伊吹が外に出て、右側を見るとAが女の子に抱きつかれているところで
「っ！！！」
今の伊吹にはキツすぎた
走り去ろうとする足音に気づきAは振り返った。伊吹と視線が交差する
思わず目を見開いたAは伊吹に手を伸ばすがそれを知らぬまま伊吹は去ってしまった
何故かAは言いたかった
「勘違いだ」と
伊吹のことを好きでもない筈なのに
「待ってくれ」と
去っていく姿にただの一言も言えなかった
伊吹が見えなくなって
Aの胸の中を渦巻いたのは
大きな、大きな
喪失感だった
「こんなんで好きじゃなくなるのかよ」
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oreo(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます！更新楽しみにしてます！ (2020年11月15日 17時) (
レス) id: 72b1f69e78 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - 志摩さんのお名前の漢字…一朱じゃなくて一未ですよ…… (2020年10月17日 20時) (レス) id: 493b6af642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かしゃくん | 作成日時：2020年10月9日 20時
