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付き合い始めた理由は俺は本人じゃなくて、舘さんから聞いた。付き合う前に佐久間はストーカー被害に遭っていた。
家の特定まではされてないらしく、後ろから着いてくるだけ。それでも恐怖だと思う、それを救ったのが照だった。
そこから事件が解決するまで一緒に居て、この際付き合っちゃうおうか?と。ただそれだけの事だった。
事件解決後、数年経った今も今更離れるのも可笑しくてこのままズルズル延長線を歩くだけの二人。でも、する事はしたらしいし、好きでもなく嫌いでもないらしい。
別れないの?なんて佐久間に聞いたら、今更別れた所で変わらなくない?と聞き返された。
ふっかはこの事を知らない。知らないまま、知らない人と寝て、偽りの愛を貰ってるだけ。
「こうなるぐらいなら、俺が貰っとけばよかった」
「阿部…」
「傷の舐め合いでもいい、ふっかが幸せになってくれるなら」
「きっとふっかはそれを見抜いてこうなったんだろうね」
阿部は優しいから、と。舘さんは俺達の1歩、もう1歩後ろから見守ってくれた。
「とりあえず、照には言わないで、俺達だけで何とかしよう」
遅くなる前に、自分を愛さなくなった最年長が壊れる前に
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作者名:レイ | 作成日時:2023年3月23日 11時