・白side ページ40
皆前に進む中、岩本くんだけ止まっていた。前に進むのを躊躇してる、って感じ。
たまたま午前中が休みな僕と、一日オフの康二くんと一緒にふっかさんのお見舞いに来た。康二くんもバラエティ番組に呼ばれて忙しくなりつつあり、今日は久々のオフらしい。
「ふっかさん〜!来たで!」
「お〜…皆、毎日来なくていいんだよ、ちゃんと休めてる?」
最初の頃に比べたら、結構前に進んだ方。最初なんて誰も会わせてくれなくて、会えたのはふっかさんが寝静まった後だもん。
「ちゃんと休めてるから安心してや!」
「そっか」
そう言って、ふっかさんは窓の方に顔を向いて空を見ていた。僕は康二くんの顔を見合わせて、ゆっくりと彼の方に向かい、椅子に座った。
「ふっかさん、どうかした?」
僕がそう言えば、ふっかさんは少し言うのを躊躇ったが、ボソボソと話をしてくれた。
「照、元気にしてる?」
「え、あぁ、うん。岩本くん元気だよ」
「そっか、ならいいや」
岩本くんはふっかさんが寝た後にしか様子を見に行かなかった。多分だけど、何か準備してるっぽい。でも、そんな確信を得たわけじゃないから僕の推測でしかないんだ。
118人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レイ | 作成日時:2023年3月23日 11時