さよならエレジー【iwfk】 (ページ39)

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・黒side ページ39

「ふっかさん、来たよ」

しょっぴーと佐久間くんが見舞いに行った後、ふっかさんは少し変わった。今までは暴れる事が多々あったけど、少し落ち着いたらしい。

かと言って絶対暴れない訳じゃない。また思い出して暴れる事もあれば、目を瞑るのが怖い、暗いのが怖いと突然言い始めたりする。

あの日警察から聞いたのは、ずっと目隠しをされ、視覚を奪われた状態で何をされるか分からない恐怖と戦っていたらしい。

「ふっかさーん、ちょっとそっちに行っていい？」

今日はお土産としてフルーツを持ってきた。舘さんが既に切ってくれた状態で渡してくれた。

今日は俺だけしか見舞いには来てない。個々で仕事が忙しくなり、俺も明日からはドラマのロケに地方に行ってしまう。

「ふっかさん、今日は大丈夫そう？」

「んー……多分、大丈夫」

今日も体調良さそう。俺はベッドの横に置いてある椅子に座り、フルーツを取り出した。

俺はこの時間が好き。俺の話を一生懸命聞いてくれるふっかさん。この間こうだった、とか、昨日実は、みたいな、たわいのない話をするこの時間が好きだ。

ねえふっかさん、俺も皆を守れるぐらい強くなるね。また皆で笑いあって、バカして、強くなる為に一緒にゆっくりだけど前に進もうね。