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「佐久間危ない!」
危機一髪で怪我なく済んだ。一瞬クラっとし、体制を崩してしまい佐久間にぶつかるとこだった。
寝不足なんかじゃない、多分、貧血。ボロボロになっていく身体は遂に限界だと声を上げていた。でも俺は知らないフリをした。
「マジで佐久間ごめん、ちょいとふらついた」
「んや、俺も場所ミスったしこっちもごめん」
亀裂が入りかけた日以降、皆の様子が可笑しくなった。人を疑うような、そんな眼を、メンバーにするようになった。
ただ、今皆は俺に対する目線が少しづつ冷たくなってる事には気付いてない。きっと、あの時も、構ってほしくてやった、と思われてるんだろう。
最近だが、誰かが噂話を流してる。俺が本当は6人が良かった、とか、加入組を嫌ってるとか、実は脱退したいと思ってる、とか。全て嘘の情報を。
「…少し休憩入れるか」
今回の振り付けは集中してないと怪我をしやすい、それだけ難しい振り付けにも関わらず、皆が疑心暗鬼で集中すらしてなかった。
きっと何かが1つ壊れたら皆壊れるだろう、命綱なしで綱渡りをしてる気分だった。俺のせいでなってるなら休憩中はどっか行くべきか、そんな幼稚な考えをしたから俺は休憩中煙草吸いにこの部屋から出た。
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作者名:レイ | 作成日時:2023年3月23日 11時