さよならエレジー【iwfk】 (ページ12)

今日:24 hit、昨日:6 hit、合計:35,167 hit

・黄side ページ12

「なあ、ふっか」

「どうしたの、いわもっさん」

気付いたら壁が出来ていた。少しずつ高くなる壁に対して、俺は気付かないフリをしていた。

「あー…今日ご飯食いに行かね？」

何時からか俺らはご飯に行く事すら無くなった。あんなにJrの頃から一緒に遊んで、出掛けて、ご飯食べたくせに。

「…ごめん、今日は河合くんから誘われてるからまた今度な」

「…そっか、分かった」

「んもう、俺じゃなくて佐久間を誘いなよ笑」

付き合ってるならそっち優先しなよ、ってふっかに言われると心のどこかが痛んだ。ただ、俺は何も気付かないふりをした。

「…おう、そうするわ」

「そうしてそうして、お前さん達の惚気話は聞きたくないからさ！笑」

ふっかは知らない。俺が佐久間に対して特別な思いもないのも。俺が何年もお前に片想いしてるのも。そして俺がお前の気持ちが分からないことも。

「んじゃ、河合くん待ってるからさ」

また明日な、って後ろ向いて手を振るだけなのに。いつもと同じなのに、何か心につっかえた。けれど、今の俺には何も分からなくて、ただふっかが知らない内に壊れていく姿を見てるだけだった。

壊れるまであと3ヶ月