あどうも、異世界から来ました 2【twst】

. ページ36

レオナsideー


『………自分の体液(魔力)を吸収してもらう、です』



Aは少し俯きがちに言った

顔は見えないが、耳が少し赤くなっているのはよく見える



レオ「…へぇ？」ﾆﾔ



まぁ言われてみれば納得はできる

コイツから出ているこの甘い香りを嗅ぐと、Aに近づきたくなる衝動に駆られるのは確かだ

それにここまでの匂いなら、普通の獣人はこの衝動に呑まれているだろう



『だーっ！だから言いたくなかったんだよ！』



俺が黙っているのに痺れを切らしたのか、Aは右手で自分の頭をかき、後ろのベットに座りかかった



(人の体液なんて、欲しいやつの方がどうにかしている)



レオ「体液ってのは、例えばなんだ？」



『えー？全部っすよ

血、汗、涙、唾液、尿…俺から出る液体全て

あ、うんことか胃液には含まれないらしいっす』



レオ「ただ垂れ流すだけじゃダメなのか？」



『それじゃあ垂れ流す魔力とまた体が作り出す魔力が釣り合わないんすよ』



レオ「難儀な体してんな」



『どーも』



レオ「で、その垂れ流してる匂いが魔力ってわけか」



『そーいうこと』



レオ「へぇ」



前々からやけに甘い匂いがすると思ったらそれか

コイツが種族問わず色んな生徒から人気の理由はこれもあるだろう

誰が嗅いでも不快に感じる奴はいないって匂いだからな



『結構苦労してんだからな』



レオ「1年の時も匂いはしてたが、そこまでなってたか？」



『一年の時は対処療法って感じだったんすよ

毒食って解毒してを繰り返して』



レオ「それであの変な匂いの飴か」



『あれ気づいてたんすか？』



レオ「人が昼寝してる時に毒の飴なんか食われたら嫌でも気にする」

『それは人の上で昼寝するどっかのライオンが悪いと思いますけど？？』



レオ「まだそれ以上酷くなるのか？」



『酷くなるっていうか、まともに話せてるだけで軽度の部類っす』



レオ「…」



(これ以上か…)



『もうすでに危ないラインではあるので、まずかったら先輩も離れててください』



レオ「…分かった」



(一応出ておくか

出る時に遮断魔法張るくらいなら大丈夫だろ)



レオ「じゃあな、せいぜい気をつけろ」



保健室から出る前にペンをだし、魔力が漏れ出ないような魔法を張った



その瞬間だった、さっきまで薄かった魔力の香りが急に濃くなった



レオ「！！」



『う"っ、れ、おな、ま…て、まほ…といて…』



Aが急に苦しみ出した

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

←42.救世主？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す