あどうも、異世界から来ました 2【twst】

29.眠れる植物園の獅子 ページ12

Asideー


『これから授業なんすけどー？
離してくれませんかねぇーー？？』



俺は先輩にずりずりと引きずられていた



『昼寝くらい1人でしてくださいよー』



周りの景色を見る限り、植物園に向かっているっぽい



『俺のために起きてたって、いつ行っても寝てるじゃないすかー』



この人に力で勝てるわけもなく、ぶつぶつも文句を垂れながら運ばれる

次第に植物園に着いた

すると、



ﾎﾟｲｰﾝ

『いでっ、投げることはないでしょ！』



木陰へ雑に投げ捨てられ、尻餅をつく



レオ「ぴーぴーうるせぇな、お前は小鳥か何かか？」



『一応人間種だわ
っていうかちなみに聞くけど、帰してくれるとかは…？』



レオ「あ"？」



『はいすいません』



すると先輩が俺の横に座り込み、俺の膝を枕にした



『…あの動けないんですけど』



レオ「お前枕が動くもんだと思ってるのか？」



『ﾃﾞｽﾖﾈｰ』



俺は諦めて木にもたれかかった



レオ「で、なんで来なかった？」

『は？寝ろよ』



人の膝を枕にしといて、さっさと寝ろよ

という思いからか、反射的にそう言葉が出たが

先輩がマジカルペンを出したことですぐに口を閉じた



『…寝ないんですか』



レオ「寝るまでの暇つぶしだ、話せ」



『んー…ハーツラビュルの寮長が変わった話ご存知です？』



レオ「興味がねぇ」



『えぇ…あんたも一応寮長でしょうが…まぁいいや
最初から説明すると…___』



俺はことの顛末を先輩に話した



レオ「へぇ、1年が」



『そうそう』



レオ「で、俺のところに来なかったわけか」



『しょうがなかったんだよ』



レオ「確かにな」



『だろー？ってことで許してくれますよね！」



レオ「あと何回か昼寝に付き合ったら許してやるよ」



『えぇー？』



この会話を終えると、その後は特に話すこともなく、しばらくの静寂がその場を包んだ

何か話すか？と思ったが、下からライオンの寝息が聞こえてきて、その思考は辞めた



『あー…授業サボったことなかったのになぁ』



後でクルーウェル先生に謝りに行こう

そんなことを考えながら、俺は植物園の景色や音、空気を楽しんでいた

そのうち、俺も意識がだんだんと薄れていってそのまま眠りに落ちてしまった



…



『___ぅぁ…ん…やべ…寝てた』



植物園が暖かい分どうにも眠気を誘ったらしい

先輩は俺の膝で寝てるし、どうしようかと思った時、植物園に知らない気配が入ってきた

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