自由な異世界転生！…なのか？

62. ページ20

ロー「誰だ…お前」


低く、殺気のある声で言われる


『A、です…』


強く握られた手首が痛む


『あの、折れる…ので、手首離してください』


手首がミシミシと鳴る


そして、


ゴキッ


『っ…』


(折れましたね…)


さて、どうするか


能力を使ってもいいが、あまり人には使いたくない

かといって今は武器も持っていない

上に乗られているから足も意味をなさないし

右手は元々怪我していて、たった今両手首が折れた


『しょうがない…すいません』


私は思いっきり、船長さんに頭突きをした


ロー「がっ…」


船長さんが頭の痛みで横にずれたのでその隙に脱出


また何かくるかと攻撃に備えると


ロー「…A？」


と頭を抑えながら私の名前を呼んだ


『目が覚めましたか？』


ロー「あぁ…」


『朝食ができてるので、早めにどうぞ では』


私は足早に部屋を去った


『手首…やっぱり折れてますよね…』


私ブランと垂れている手首を支えて


治した


え？どうゆうことって？粒子の動きを治療に回せば手首程度なら数十秒で治ります


そのあと、シャチさんやペンギンさんに安否を聞かれたが無事だ、と答えた


それからは部屋にこもって読書を始めた


ローside

朝、食堂に向かうとAの姿は見えなかった


ロー「おい、ペンギン」


ペン「あ、キャプテン おはようございます、どうしましたか？」


ロー「その…Aはしたか？」


ペン「Aが？なにをですか？」


ロー「！まさか手当てしてないのか？」


ペン「手当て？」


ロー「Aの手首だ 折れてただろ」


ペン「え…ローさん起こしに行ってから部屋にこもってますけど…はっ！？まさかあんた！！」


ロー「…不可抗力だ 敵だと思ったんだからしょうがないだろ」


ペン「しょうがなくないです！早く謝りに行ってくださいよ！」


ロー「っ…わかったよ」


(昼飯の時にでも謝ってやるか)


なんて考えていたが、昼時、Aは食堂に姿を見せることはなかった



Asideー


『ふぅ…あれ？もうこんな時間』


本に集中していたらあっという間に夕方


『集中しすぎて周りに目がいかないのは私の悪いところですね…』


なんて呟いていると


コンコン


ドアをノックされる


『はい？』


ロー「俺だ 入るぞ」


『どうぞ』


と、船長さんが部屋にやってきた

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