目指せ！個性の無い世界！３【ヒロアカ】 (ページ25)

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百二十四歩目。ページ25

―Aside―

『本題に戻りましょうか。"個性"を壊す銃弾...警察が分析中なんでしょうけど、考えられるのは３つ。そういう成分を持った物質が開発された。【個性破壊】という"個性"持ちがいる。私のように血液に作用できる"個性"持ちがいるかのいずれか。
そして、それを裏の人間に売りさばいてる奴がいる。ただのチンピラにそんな技術在ると思えませんし。私が思い付くのはこれくらいですね』

[......お前、帰ったら説教な]

『えっ、なぜ』

ひょいっ

『わっ、』

「お電話変わりましたホークスです～」

唐突な相澤先生の説教宣言に驚いてたらホークスにスマホを取られた。

返して下さいって目で訴えても、胡散臭い笑顔で扉を指さして暗に退室しろと言って来る。

思いっきりしかめっ面してやったら笑って【剛翼】をぶっ放してきやがりました。

羽に持ち上げられてご丁寧にも扉を開けてサイドキックの方たちがいる部屋に連れて行かれた。

強制遮断で防げたけど、ホークスが無意味にこんなことするとは思えなかったから大人しくしてやったのだ。あとで焼き鳥おごってもらお。

「お、どげんしたとAちゃん。ホークスとのおしゃべりはもう終わったん？」

『まぁ、そんなとこです。何かお手伝いできることありますか？』

「そうやなぁ...あ、ならあっこの机にのっとるの日付が早い順に並べてくれん？」

『了解です』

サイドキックの方に言われたとおり書類を整理しながら相澤先生との話を思い返す。

今回の事件で見つかった"個性を破壊する銃弾"。

私が作ろうとしたものと似たようなものが現実に存在した。しかも天喰くんに被害が出てる。

私との大きな違いは"個性因子"を直接傷付けること。【遮断】は一時的なものだけど、これは回復するのかも分からない。

ヒーローにとって"個性"は必要とされてる。"個性"には"個性"をぶつけるのが早いから。

ヴィラン連合じゃない誰かが、ヒーロー社会を崩そうとしてる。

オールマイトが引退して、国民の不安が膨れ上がった。

それでも、まだヒーロー社会が成り立っているのはオールマイトだけじゃないたくさんのヒーローがいるから。

"ヒーローになりたい"、何かになりたいという夢は自分で叶えるしかないもの。

自分一人が諦めてしまえば終わるもの。

"個性の無い世界"

叶わないと諦めた夢。

私の知らないところで、私の知らない人が叶えるかもしれない夢。

オールマイトも"個性"も無い世界で、私は何がしたいんだろう。

▽