百二十一歩目。 ページ22
―Aside―
「初めまして〜、遮止Aちゃんだよね。よろしくね〜」
『初めまして、ホークス。こちらこそ一週間よろしくお願いします』
今日から一週間、ホークス事務所でのインターンを行う。ちなみにホテル泊まり。
出身である福岡にやってきて、博多駅でホークスと合流。No.3は目立つから部屋が用意されてた。なにそれビビる。権力ありすぎだろヒーロー。
ホークスはカラスくんをインターン生として受け入れてる。
今、カラスくんがいないのは私との期間をずらしたから。十中八九公安がらみ。
ホークスの第一印象は胡散臭い、思ったより身長低い、羽根でかい。
「じゃ、事務所行こっか」
『最初から事務所集合で良かったんじゃ？』
「まぁ、それでも良かったんだけどさ。空、飛んでみたくない？」
『はい？』
・・・
ウワー、飛んでるぅ〜〜()
全身で風を受け止めてる。あ、受け止めきれてないな飛ばされそう。
私絶叫系苦手なんだよね。怖いってのもあるけど、三半規管弱すぎてすぐ酔う。
まぁ、そんなことはどうでもいいんですよ。問題なのは今私が飛べてる原因。
確かにね、子供のころは空飛んでみたいなって思ってたよ。タケ○プターだったり魔法のほうきだったり翼だったりね。欲しかったよ。
人に抱えられて空飛ぶなんて想像すらしてなかったわけですよ。
脇下を持たれてるから足ぶらーんなってる。コスチュームとか荷物持ってくれてるのはありがたいけど。
『これセクハラに入ると思います？』
「入ったら俺が困るなぁ。ヒーロー活動に支障が出ちゃう」
『どーだか。どうせ公安が揉み消すでしょう』
「ヒーローの不祥事は公開できないだろうね〜」
『国民の信頼性に関わりますもんねぇ』
ホークスと接触してからいつもはどこかしらから感じる視線も気配も消えた。公安はよっぽどホークスを信用してるらしい。
18歳で事務所設立。その年にはビルボードでTOP10入り。
【剛翼】、自身の翼を自由自在に操る。
デビュー時点でプロと同等の実力を持ってた。ここまで強くなるのにどれだけ鍛えたんだろ。
『私の"個性"知ってます？』
「【遮断】でしょ？雄英から情報は貰ってるよ」
『公安からの間違いでは？』
「...突っ込むね〜。いつ俺が公安関係者だって思ったの？」
『インターン先聞いた時ですね。確信したのは貴方と合流した時。監視の目がなくなったので』
「そっかー。Aちゃんは隠し事されるの嫌い？」
『信頼には値しませんね』
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2023年3月6日 22時
