世界よ、俺を見ろ

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潔「……あ」

ポン……ポン…ポン


〈1…………0…………

Lose 吉良涼介〉



吉「……潔くん？何やってんの？

え………どういうこと？何……これ……？」



潔「……違う……ごめん…その……だって

急にボールが来たから」


吉「……は？フザけん……」


甚「お疲れ才能の原石共よ
ここでは結果が全てだ

破れたものは出ていけ！

吉良涼介、失格！！」



吉「……フザけんなよ
こんなやり方でW杯優勝なんか出来るかよ……
こんな遊びで……なんで俺が

俺みたいな才能のある奴の将来が
潰されなきゃなんねぇんだよ！？

俺は日本サッカー界の宝だぞ！？

あ”！？

俺よりイガグリとか潔くんのが才能あるってのか！？

あ”！？


そもそもこんな”オニごっこ”になんの意味がある！？

サッカーとなんの関係があるんだよ！？

こんなもんサッカーじゃない！！」




はぁ……ほんとに



「
Halt die Klappe(だまれ)

さっきからうるさい……

青い監獄にはサッカーに関係ことのないことは一つもない

この部屋の広さは16.5×40.32

この数字が分かるか？


P.Aと同じサイズだ

全てのゴールの約75%はこの中から生まれる

ここでどれだけ動けるのかでそのストライカーの価値が
決まる

ここで動けない奴にストライカーの才能……

いや…ストライカーの資格はない」


吉「だ、だからどうした！？
部屋の広さはわーったよ！

だから”オニごっこ”はサッカーじゃねぇってんの！！」


はぁ


甚「……逃げる側に要求されるのは
対人感覚、駆け引き、ポジショニング

追う“オニ”に要求されるのはドリブル精度や

動きの中で狙い撃てるキックのクオリティ……


これは立派なサッカーのトレーニングだ

タコ」


吉「だ、だからって…

こんなたかが２分ちょっとで俺の何がわかるんだよ！？

サッカーは90分だろがよ！」



「確かに一試合の時間は90分

だが、その中で1人のプレイヤーがボールを保持できる
時間は約136秒

お前は平等に与えられた一試合分の機会を
フイにしたんだ」


吉「で、でもラスト10秒じゃどうしようも……」


甚「お前は試合でも同じことを言うのか？」


吉「え……」


「お前がボールを当てられた瞬間……

時計はまだ1秒残っていた

お前が動けないイガグリに当てれば生き残れたんだよ

それをお前は見逃した

当てられた瞬間諦めた

そんなストライカーは青い監獄でも

世界でもいらない」

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