第七十六話 ページ45
鬼灯side
鬼「麦?」
麦「ごめん…でも一個お願い」
鬼「何ですか?」
私の鳩尾あたりに顔を埋めている麦。服越しに伝わる熱……熱?
麦「キスして」
…………………………はい?
鬼「正気ですか?っと……大丈夫ですか?」
急に麦の力が抜けて、私に全体重…っと言っても全く重くないが、ぐったりする麦を支える、顔を覗くと眠っていた
白「ちょっと無理しちゃったのかな?熱で頭が回ってない。まぁいいか、後は僕の出番だからな?お前もお前で仕事しろ」
麦を横抱きにし、虫を払う様に手首を捻る白豚
鬼「解ってますよ、白澤さん、麦に手を出したら剥製にしますからね」
腕を胸の前で組み睨むと
白「僕は吉兆の印白澤だよ?」
ふん、と鼻を鳴らし背を向けた白澤さん
鬼「白澤さん……」
白「何……おい…!」
私は白澤さんに頭を下げた。屈辱とか、恥を頭の隅に追いやり、、、
鬼「麦を…頼みました。」
そう頼むと、仕事の時でも珍しい真剣な表情を見せ頷いた。
白「うん……1つ聴く。お前をそこまで夢中にさせるものは、何なんだ?麦ちゃんは確かに可愛いし、いい子だ、でも、探せばそんな子は山程いる。
何故、麦ちゃんなんだ?」
その瞳は何処か……試す様な、確かめる様な瞳をしている。私は当たり前の様にこう答えた
鬼「麦は私の、最初で最後の愛しいヒト(鬼)だからですよ、麦の為たら私は何だってやります」
白「ふ、そう。じゃあな、診察が終わったら連絡する、そっちも頼んだ」
鬼「はい」
白澤さんと別れ、廊下に出ると、柱の影にいた
鬼「お話があります、愛菜さん」
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作者名:sunijy | 作成日時:2016年9月8日 22時