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第六十四話 突然の ページ33

鬼「麦今日非番だったんですね」
麦「鬼灯があくせく働いてんのに私だけ休む何て出来ないよ」
鬼「休みの日はどう過ごしているので?」
麦「聞いてないし…そうだなぁ特にやる事がない時は甘味処に行くか、お香さんとお話してる」
鬼「今度その甘味処教えて下さい」
麦「もちろん!じゃ甘味処行ってきます!お二人さん頑張って下さい!」
鬼「甘味の誘惑に負けましたね、行ってらっしゃい」

麦はじゃ!と言ってるんるん気分で門を出て行った。

此処から麦御sideで。
麦「こんにちは、おばちゃん葛餅下さい」
おばちゃん「はいよ!」

私は暇な時はいつも甘味処に来て甘味を食べる事が習慣になってしまっている。
最近のお気に入りは此処。古風な雰囲気、おばちゃん達の陽気な声。とても過ごし易い。
いつもの雰囲気に浸りたい所だけど、今日は別件。
店の奥の方にある長椅子に腰掛けて、出入り口を見る。すると、見覚えしかない影がビクッと跳ね、扉を盾にして此方の様子を伺っている。

店の人達やお客さんが不思議そうな目でそれを見詰める。
目立ちたくない。軽く溜息をし、手を上げおいでおいでする。
影は一瞬たじろぐも意外にスッと入って来て私の前に来た。

麦「座っていいよ、櫟」

その影ー櫟はコクッと頷き隣に腰掛けた。

麦「そんな微妙な距離開けなくても」
櫟「……」

ムスッとした顔で睨んで来る櫟の頭を撫でる。そうすると顔を赤くして少し機嫌が戻る。
大体いつも櫟がイジけた時はそうする。

櫟「麦御……」

大人しく撫でられてたと思ったら、撫でていた手を掴まれた。こうして見るとまだ幼いけど、ちゃんと男の子の手だなぁと思う。
何も言わずにジッと見詰めてくる真剣な眼差しに、目が反らせなくなる。

麦「櫟……?」
櫟「麦御…俺はーーーー…





お前が好きだーーーー…」
麦「っ⁉ぁ、ぅあ、その…」

予想外の真っ直ぐな告白に言葉が出なくなる。
櫟は私の従兄弟。それ以上でも以下でもない。
それに私の想う相手は……
彼の姿が脳裏に浮かぶ。

櫟「麦御…ごめん、俺、自分の気持ち抑えられなくて、従兄弟なのに、な…ひっ、ほんと、ごめん、」

櫟は私の手から自分の手を離し私の着物の握りしめ、こう様に涙を流す。
私はどうする事も出来ないでいた、けど、ちゃんと返さなきゃ、後で絶対後悔する。
櫟の頭にそっ、と手を置いて乾いた口を開ける。

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設定タグ:恋愛 , コミュ障? , 鬼灯の冷徹   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:sunijy | 作成日時:2016年9月8日 22時

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