言の葉未満2【鬼灯の冷徹】 (ページ20)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:2,113 hit

第五十五話身長ページ20

吊るしてあるパンを睨み唸る麦
麦の身長では少し厳しい高さに吊るしてある為どうとるか悩んでいるんだろう

麦「んっ！…ぅん！…あぁ後ちょっとなのに～」

結果ジャンプをするしかない訳で、麦はピョンピョンジャンプする
擦りはするも何せゴム紐に吊るしてる為、擦るだけでは取れない。寧ろパンがゴムの反動で暴れ回り余計難しくなる

麦「あぁぁあもう！！！！」

怒り任せにもっと跳ねパンに向かう
麦が飛び跳ねる度に揺れるそれに、ポールを支えていた獄卒2人の腕の力が弱まる
支えを弱らせた為ポールが前のめりに傾く
傾いた所為でパンが下がって来た為麦に簡単に咥えられ持って行かれた

麦「やっは！いひはんあ！」:訳→やった！1番だ！

後ろから兎の着ぐるみを着た獄卒や、チャイナドレスの獄卒や、魔女の獄卒が赤面しながらゴールして行った

鬼『第二種目パン食い競争これにて終了です。走者の方々は着替えるなり持って帰るなりしてくれて構いませんよ』

獄卒達(いらねぇ！！！！)

マイクから口を離しパイプ椅子に寄り掛かる

閻魔「鬼灯君後ろ後ろ‼」

鬼「大声出さないで下さい」

首だけ後ろに向け直様後悔した
振り向かなければ良かった。と

麦「鬼灯…？」

後ろにはそこらの獄卒なら泣き喚くだろう笑顔を見せている麦が立っていた

鬼「1位おめでとうございます」
麦「ん。」

目線をそらさせつつ話題を明るい方に持っていくが1文字で会話が終了してしまった
妙な沈黙が流れ麦が大王に

麦「大王様鬼灯少し借りるので運動会の進行お願いします(^三^)」

大王の返事を待たずに手を握られて引っ張られる

場違いな事に握る場所が袖や手首ではない事に麦が可愛いと思ってしまった

麦に連れられ路地裏の様な所に辿り着いた
私は正座なるものさせられ麦は目の前に腕を組んで仁王立ちしている
自分で言うのも何だが、天下の補佐官が恋人に正座させられている
中々滑稽なものだ

麦「鬼灯私に言わないといけない事があるんじゃない？」

鬼「騙す様な事をしてすみませんでした。立っていいですか？」

麦「正座何かしょっちゅうしてるんだから足は痺れないでしょう？周りからも見えてない筈だから大丈夫」

私の後ろ左右は壁になっていて私が見える位置は麦が陣取っている為通りすがりのヒト達からは見えてない

鬼「私の事を怒りたいのか心配するのかどっちかにしてくれます？」
麦「では、怒っているのでお仕置きします」

…………………………はい？