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キスの真偽 ページ5

「あー痒かったぁ…」


未だに発疹の残る腕を擦る。


「ホンマ、今日は久しぶりに死ぬかと思たわ…キッドがおらんかったら確実に死んでたけど」


その名前にいち早く反応してしまう。


そんな自分を情けなく思いながらも、平次は口を開いた。


「…なぁ、」


「ん?」


「キッドに何か変なことされんかった?」


遠回しと見せ掛けて、中々単刀直入である。


「変なことって…別に?」


全く覚えがないと言った様子で返すA。


「…そうか。ならええんや」


やっぱりキッドの出鱈目だったのだろう。


安堵の息を吐こうとした時、


「もしかして、何か聞いた?」


「…何かって何やねん」


「知らんのやったらええねん」


苦笑を浮かべるA。


平次はその腕を掴んだ。


「何?」


「何もなかったんやんな?」


「ない言うてるやんか」


「俺に知られたないことでもあんのか?」


「そんなん、」


「ある、やろ」


真剣な瞳。


Aは思わず瞳を伏せた。


「隠すようなこと、あったんか?」


「…別に、」


急に口調が弱くなったのを平次は見逃さない。


そのまま壁へと押し付けた。


「平、次…?」


「言いたないみたいやから俺が言うたるわ、」


「せやから、」


「キス、されたんやろ?」


「っ、」


思わず言葉に詰まる。


いや、されてはいない。


唇を重ねたのは、


「そりゃあ俺に知られたないわな、付き合うて早々良うやりよるわ」


「ちゃう、」


「は?」


「されたんちゃうわ!私がしたんや!」


その言葉に平次は目を丸くした。


「お前が、キッドに、?」


「…せや。やから抵抗出来んかった訳でも何でもない。悪いんは、…っ」


掴まれた腕に力が込められる。


「ほー…やったら尚更、許す訳にはいかんわな」


「っ、…何、言うて…」


重なる唇。


「ん、っ…」


すぐに、離されると思っていた。


だが違った。


それは段々と深い物へと変わっていく。


「っ、…やぁ…!」


頬を伝った大粒の涙を、平次は見ない振りをした。

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- 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2023年4月11日 0時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
- 何度も続けてのコメントですみません。。。 またNGワードに引っかかってしまったので○表記にさせていただきました。 (2023年4月11日 0時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
- ままたまた続けてのコメントですみません。。。 2枚のチケットのここの台詞 「 ○○−○−に困ってます、助けてください、を身代わりになって秒○する女嫌やわ」 ここの、助けてください、の後って何か入るのでしょうか? (2023年4月11日 0時) (レス) @page32 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
- また続けてのコメントですみません。。。 NGワードに引っかかってしまったので○にさせていただきました。 すみません。。。 (2023年4月11日 0時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
- また続けてのコメントですみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 平和とはのここの台詞 「警察呼んだらこの女○すで!ええから大人しい言うこと聞け!」 これ正しくはええから大人しくではないんでしょうか? (2023年4月11日 0時) (レス) @page28 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rei | 作成日時:2020年3月19日 3時

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